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兄の決意

兄がいた施設には多くの人がいた へその緒もそのままで門の外に捨てられていたもの。 兄と同じように虐待を受けて保護されたもの そして大病を患っていたことにより育てることを苦にし預けたもの。 稀にその人たちは数年がたつと迎えに来てくれる人もいたようだが殆どはここで生活しここで亡くなっていったそうだ 「やっぱり家族だと思っていた人が病気で苦しんで亡くなるの側で見てきたら俺に何か出来ないかなって思って…一人でも多くの人を助けることが出来たらどれだけいいだろうって思って医者になることを決めた。」 「そっか」 兄は兄なりにしっかり考えがあってこの道に進んだのかと思うと何だか自分が恥ずかしかった。 今はまだ自分の将来なんて決められないけれど兄を目標にしやってみようと思えた

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