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プレゼント

各部屋で作るものが違うらしい 美空さんはアクセサリーを作る部屋に既に入っていってもくもくと作業をしていた 「こっちがサンプルの部屋だよ。ここで作れるものの見本が置いてある」 「そうなんですね」 中には沢山の材料があってとても悩む 「あ…こういうの…茜似合いそう…」 「革小物?」 ダークブラウンのキーケース。中の部品とか色々変えたらいいかも… 「これだったら今日で出来るよ。これにする」 「はい」 「帰ったらすぐ渡してあげられるね」 「…すぐ…ですね…」 今日は戻らない茜を思う…誰といるのかな… 「どうしたの?何か悩み?」 何でも見透かしていそうな瞳でじっと見つめられる…気付けばポロポロと涙が溢れていた 「あ…っとごめん…俺で良ければ話聞くよ」 誰にも言えなかった苦しい胸の内…初めてあった人だからこそすんなり言葉が出た。 「もう…渡せないかもしれない…」 「うん」 目の前の人、璃人さんはしっかり話を聞いてくれた。 途中涙声になり聞きづらかっただろうに…最後まで黙って聞いてくれた

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