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あたたかな人

翌朝。俺はベッドに寝かされていた。ソファーで休んだはずなのに… 璃人さんを探す。 「あ。おはよ。ご飯出来てるよ」 既にキッチンにいて朝食の準備もされていた 「あの…俺…ベッド占領してごめんなさい!」 「ソファーだと体痛くなるかなって勝手にしちゃった。ごめんね」 「璃人さんは…体痛くない?」 「俺?平気。むしろこっちの方が寝やすい…俺ねベッドで一人で寝るの苦手なんだよね。だから具合悪いときくらいしか使わないんだ」 「そうなんですか?」 「そうそう。だから今日一緒に寝ちゃおうかな」 「はい!!」 「え?」 「え?あ…」 「あははっ!!冗談だよ。びっくりしちゃった。即答するから。おじさん思わず手を出しちゃうかもよ。男は狼なんだから」 「いや…俺も男ですけど…ていうか璃人さんおじさんじゃないです」 「さなえくん美人だもん!全然行ける! 十代と二十代大きな差だよぉ…君らからすればおじさん」 「いやいや…」 どうみても俺たちと2、3歳しか違わない風貌だし服だって今時だし全然おじさんじゃない。この人顔きれいだし 「なぁに?」 「やっぱおじさんじゃないです。お兄さんです。かっこいいです」 「さなえくん…その顔はダメ…可愛い…」 そんな変な顔しただろうか… 「君の笑顔は凶器だね」 何か前にも誰かに言われた気がする… その意味がわからない 「さ!食べようか。バイト何時から?」 「九時です」 「ならゆっくり食べられるね。いただきます」

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