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あたたかな人
食事を終え約束通り送ってもらう
「ありがとうございました」
「また終わったら連絡して。迎えに来るから」
「はい。ありがとうございます」
しばらくは甘えることにした。どのみち茜から連絡もないし行く宛もないのだから
とにかく今は誰でもいい…甘えたくて堪らなかった
あたたかな人を利用するようで気が引けるけど一人でいて普通にしていられる自信はなかった
「店長」
「さな。どした?」
「あの…大変申し訳ないんですが…今月一杯で辞めさせてください」
「は?何?急に。どうしたの?」
「諸事情で…すいません…」
「それ…保留でいいか?」
「え?」
「今お前に抜けられたら困る。だから」
「もうここにはいられないから…」
「どういうことだ…」
「すいません」
結局店長は首を縦には振ってくれなかった。
仕方ないので伝え続けることにした
「さなえくん」
「美空さん、昨日はすいませんでした…突然置いて帰っちゃってあんな姿まで見せちゃって…」
「大丈夫なの?家には?」
「あの…鍵置いてきちゃいました、今茜と顔合わせて話せる自信ないんで…このまま消えてしまえたら楽でしょうね…」
「だめ。それはだめ。後悔しちゃうよ」
「それ…璃人さんにも言われました…実は昨日から璃人さんの家にお世話になってるんです。でもまだ誰にも伝えないでくれませんか?今茜に関係する人に会いたくない…から…お願いします」
深く頭を下げると美空さんは何も言えなくて難しそうな顔をしながらも頷いてくれた
バイト終わり璃人さんの迎えを待っていると連絡が入った。
蓮華だった
「さなえ!!今どこ?」
「今バイト終わって帰るところだけど」
「どこに?」
「知り合いのとこ」
「は?」
「あ。迎えが来た。またね。蓮華」
「ちょ…さ…」
蓮華からの電話を一方的に切り車に乗り込む。その後も何度も連絡が来ていたが気付かないふりをした
「お待たせ。お疲れ様」
「すいません…迎えに来てもらっちゃって」
「いいよぉ。電話大丈夫だったの?」
「大丈夫ですよ」
「ならいいけど」
今日もおいしい食事を準備してくれた璃人さんにお礼を言う
夜も更け眠気が襲う。
「眠い?寝る?」
「ん…璃人さんはまだお仕事?」
「今日は終わってるよ」
一肌が恋しかった。だから璃人さんに抱きついた
「どした?」
「あの…一緒に…寝てくれますか?」
「…だーめ。」
「どうしても?…」
「っ…もう…それダメだって…可愛い…」
「え?」
「わかった。一緒に寝ようか」
「はい…」
璃人さんの手を掴んで離せなかった。
そのまま璃人さんに手を引かれベッドに横になった
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