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あたたかな人
そんな生活が一週間ほど過ぎた
少しずつ気持ちの整理もできてきた。
璃人さんに甘え続けるなんて出来ない…
今日はテストの最終日なので茜はバイトに来る
話さないと…ちゃんと離れないと…
バイト中は余計なことを考えないように黙々と働いた。
店長はまだ辞めることを了承してはくれないのでまだここにいないとならないようだ
夕方になり高校生バイトの人たちが少しずつ入ってくる。
「さなえ!!」
「おはよ。蓮華」
「おはよじゃないよ!何回も連絡したのに!」
「ごめんごめん。ちょっと色々あって…」
「心配したんだからね。茜に家を出ていったことも聞いてたし」
「そう…」
「何があったの?」
「ん?聞いてない?手紙のこと」
「聞いた。茜の荒れようったらなかったよ」
「…勝手だね…」
「え?」
「…何でもない…そういうことだから」
「何の理由もなくそんなことになる?」
「…茜に聞けばわかるんじゃない?その茜は?」
「今日は急な用が入ったって一時間くらい遅れてくるよ」
「そっか…バイトより大事な用…ね…」
「さなえ?」
「…」
「本当に…何があったの?」
「茜に新しい人が出来ただけのことだよ」
「は?」
ちゃんと話す間もなくお客さんが増えてきた。蓮華はまだ何か言いたげだったが渋々フロアへ行った
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