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真実

「そんなことあるわけないだろ」 「じゃあどうして?」 「さなえと付き合うときに話したよね?新薬の話し」 「うん」 「俺が出していたレポートを長いこと研究されてきた人たちが参考にしてそれまで出来ていた物に少し加えて作っていたんだけどその試薬が出来たんだ。それがお前を見付けた後。1ヶ月くらいがたってからだった」 「それから何度も行われる実験に関わらせてもらえるようになった。」 「新薬?」 「男性でも妊娠できるものです」 「すごいねぇ…そんなのできるの?」 「まだ途中ですけど。上の空になり始めたのは臨床試験に移ろうとしたときだと思う…その被験者にお前をという話が出た」 「は?」 「まだ誰でも試していないしさなえは未成年だしそれに…さなえを差し出すなんて…でも…研究者たちにずっと言われていて…ずっと保留にしていた…ずっと悩んでた…」 「そんなの言ってくれれば…」 「言えないよ…実験に協力して欲しいなんて…何が起きるかわかんねぇんだぞ。だからそのままずるずる来てしまって…俺がお前に触らなかったのは…すぐにでもお前との子が欲しいって思う自分が出てきてしまっていたから…抱けば抱くだけその思いは募った…怖かった…お前に無理矢理投薬してしまいたくなることが」 「…ホテル街の人は?」 「あの人は一緒に実験している人で、さなえが無理ならと他に数名被験者が決まったからその打ち合わせであの先にある店を指定されたから」 「でも幸せそうに笑ってた…」 「被験者の話を聞いていたらお前と俺に被るところがたくさんあって…お前のこと思っていたからだと思う…」 「でもあの日急に泊まるっていった…」 「それは前もってお前に伝えることすっかり忘れてただけ。どうやって説明していいかわからなくて…ごめん…打ち合わせ後すぐに投薬行う予定で24時間の経過観察が必要だったから」 「はぁ…解決?かな?後はお二人でどうぞ。また気が向いたら遊びに来てね」 璃人さんが立ち上がり部屋を出ていこうとした 「待って下さい。璃人さん」 止めたのは茜だった 「あの…すいませんでした…ありがとうございました…」 「いいよぉ、困ったときはお互い様でしょ。あ…荷物どうする?まだうちにいくつかあるけど」 「俺も一緒に取りに行ってもいいですか?」 「オッケ。俺ほとんど家にいるからいつでもいいよぉ」 「あと…さなえのこと…」 「ん?あぁ。さなえくんは茜くんしか見えてないから元々諦めてるよ。だから大丈夫。でもね。またさなえくん泣かせるようなことしたら無理矢理にでも奪うから覚悟しておいてね。」 目が本気だった。俺に好意をもった?何故?たった数日だったのに 「あそこまで一途に思われることが羨ましくてね。俺もそういう風に思われたいって思っちゃった。じゃあね」 今度は本当に帰っていった 部屋は静寂に包まれた

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