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教室に戻れないまま俺は瑞季と抱き合っていた。
俺の胸に顔を埋めたまま瑞季は静かに涙をこぼす
ただ黙って瑞季の背中を撫でていた
「ねぇ…蒼」
「ん?」
「ごめんね」
「何が?お前は何も悪くないだろ?」
「蒼には藍瑠がいるのに」
「何それ?急にどうしたの?」
「さっき…藍瑠が苦しそうに蒼を見てた…蒼も藍瑠と同じ表情で見てた…」
そんなつもりはなかった。俺があんな苦しそうに…切なそうに…藍を…
「まぁ同じ目にあってるしその姿みてるから気にならないって言ったら嘘になるけどね。でも俺は瑞季が大切だよ」
「ん…ありがと…蒼…キスして」
瑞季に触れるだけのキスをした。
「このままサボっちゃおっか」
「うん。」
瑞季を床に座らせ俺も隣に座る。肩に頭を乗せた瑞季の柔らかい髪を撫でた
「蒼…」
「ん?」
「抱いて…」
「だぁめ…やめられなくなっちゃうでしょ。家に帰ったらたくさんしよ?もし見られたら俺ヤダよ。瑞季の綺麗な体を誰にも見せたくないから。だめ?」
一気に真っ赤になった瑞季の頰にキスをする
「ほぉら。そんな可愛い顔誰にも見せたくない」
「わかった…我慢する」
「いい子」
そのまま一限目はサボって教室に戻るとあいつらの姿はなかった
そして…藍と圭の姿も…
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