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藍瑠side
「圭くん」
「なぁに?」
「俺…今日帰る。ごめんね」
「んじゃ俺送る」
「だめだよぉ。圭くんはちゃんと出席しないと」
「たまにはいいの。荷物取ってくるね。ここにいて?」
「うん」
圭くんが保健室を出て俺は窓の外を眺めた。憎らしいくらい晴れ渡ってて…なんだかまた泣けてきた…
「蒼…」
もう何度呟いただろう…好きで好きで…どうしようもない…
こんな気持ちで圭くんといるなんて虫が良すぎる…わかってるけど…寂しさは埋まらないから
「おまたせ。藍。帰ろ」
「うん」
圭くんに手を引かれ学校を後にした
「お邪魔します」
「どうぞ」
珍しそうにキョロキョロと見渡す圭くんが何だか可愛くて思わず笑みがこぼれた
「すごい広いね。俺の家3つくらい入りそう」
「大袈裟だよ。そこ掛けて」
大きな体を小さくしてちょこんとソファーに腰掛ける圭くん。緊張してるのか手のひらをぎゅっと白くなるくらい握ってた
「圭くん。緊張しすぎ。彼女の家とか行ったことあるっしょ」
「あるけどさ…初めて自分から好きになって付き合えることになったんだから緊張もするよ」
「何か意外、圭くん可愛い」
「かわいいって…藍に言われても説得力ねぇよ」
「えぇ?俺平凡じゃん」
「は?」
「え?」
「自分の可愛さに気付いてないとかダメだろ…やっぱ俺が守る」
変な顔をして言い切る圭くんに微笑みかけると圭くんが息を飲んだ
「藍…可愛すぎ…」
「もう。ありがと…」
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