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藍瑠side
「ねぇ…藍」
「…」
「俺じゃダメかな?」
「え?」
「藍。俺はねお前のことが好きなんだ。藍が落ち着くまででいいから俺を側に置いて?俺を利用して?」
「圭くん…」
「こんな辛そうな藍放っておけない…何があったのかは知らない。でも瑞季に蒼が付いているのなら藍には俺が付いていたい」
一人でいるよりずっといい…圭くんは誰にでも優しくてカッコよくて…きっと蒼がいなきゃ俺は彼に恋していたかもしれない
「でも…圭くん…俺…エッチとかできないと思う」
「ばっ…!!そんなん!」
みるみる赤くなっていく圭くん。こんな圭くん初めてみた
「あのね…」
ちゃんと話さないと…
俺の真剣な表情に圭くんも表情を固くした
二人にされたことを圭くんに話す。無理矢理されたのに快感を拾ってしまった俺…
浅ましく自ら腰を振り強請った俺…何度も果てた俺…
そんな獣みたいな俺は圭くんには相応しくない…
「だから…俺を好きだと言ってくれた気持ちは嬉しいけど付き合えない…ありがと…」
ふわりと抱き締められる
「怖かったね…だったら尚更…俺が側にいる。守りたい…だから…俺の元に…大丈夫だよ…藍が嫌なことはしないから…一人で震えないで?」
「圭くん…」
怖くて怖くて堪らない俺の中に一筋の光が差し込んだ気がした…
「本当に…恋人らしいことはできないかもしれないよ?」
「恋人だからヤらないといけないなんてことはないから。ただお前の側にいたい…お前が蒼のことを好きなのはわかってる。蒼に勝とうなんてそんな気持ちもない。だから御木本が落ち着いて蒼を手放したなら…もう一度蒼にお前を返すよ…」
「ううん。蒼がそのまま御木本くんと本物の恋人になる可能性が高いからそれは…ね?蒼にとって俺は…そういう対象にはならないから…そんなのわかりきってるから」
そうなのだ…蒼にとって俺は放って置けない弟みたいな感覚でしかないんだ
「そんなこと…」
無言で俺は首を振った
「大丈夫それはちゃんとわかってるから」
「藍。じゃあさ。俺を利用して?俺を仮の恋人にして?震えるお前を支えさせて?一人にしておきたくないんだ。お前が落ち着くまででいい」
さっきと同じセリフ。本当に…利用していい?
「俺の中に蒼がいるのに…本当に…いいの?圭くん」
「いいよ」
「ありがと…じゃあ…お願いします」
こうして気持ちのない…ただ利用するだけの恋人になった。
やっぱり一人でいるよりずっといいと思った。圭くんなら申し分ないと思った
蒼とは違う大きな優しさを持ってる圭くんなら俺はいつか蒼を忘れられるかもしれない…
そのときは圭くんのこと好きになって俺の方が離れられなくなっちゃうかもしれない
…
それはそれで怖いけど…今は…利用させて?
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