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圭翔side
きっともう時間切れ…
最近よくそう思う。
藍が俺にばれないよう涙していることを俺は知っていた。
藍の中にまだ蒼がいるのは承知の上でずっと側にいたけれど藍の気持ちが変わることはなかった。
キスをして体を繋げて…甘い声をあげながら時に切なく目を伏せる藍は恐ろしいくらい妖艶で…
恐ろしいくらい儚くて…激しく攻め立てていないと消えてしまいそうで…
藍…藍…大好きだよ…離したくない…でも…
蒼に返してあげなきゃ…蒼は…御木本じゃなく藍を思ってるんだから…
本人は気づいてないけれど…
「圭…ちょっといい?」
「蒼は?平気なの?御木本…」
突然の御木本から声をかけられた。たまたま今日は蒼は生徒会に呼ばれていて藍は担任に呼ばれていた。
蒼はたまに…行事前など生徒会が忙しいときに雑用を手伝うという条件で会長にはならなかった。
もうすぐ体育祭があるから今生徒会は天手古舞。
だから最近蒼は休み時間に結構な頻度で生徒会室にいる。
藍が呼ばれた理由はおそらく進路について。
藍の親父さんが仕事で遠方へ引っ越すことになり藍はついていくのかどうするのか悩んでいるのだ
俺は御木本に連れられこの時期は人がまばらな屋上に連れてこられた
「ねぇ…圭…」
ゆっくりと言葉を紡ぎ出す御木本の言葉を静かに聞いていた…
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