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やっと…自分の気持ちに気付けたって言うのに…明日から離れ離れなんて…
「蒼…俺ね…とっても最低なの…蒼と御木本君が仲良くしているの見てたら一人じゃ抱えられそうもなくて…圭くんの気持ちを利用して…ずっと…ずっと側にいた…ちゃんと圭くんを好きになれるって思ってた…でも…俺は…やっぱり蒼じゃないとダメで…辛いから父に付いていくことにしたの…それなのに…なんか…」
「…な…」
「え?何?」
「行くなよ…行くな…俺の隣でこれから笑っててよ…やっと…やっと気付けたのに…」
「ううん…行くよ…きっと今蒼は混乱してるだけだよ。落ち着いたらちゃんと見えてくるものがある。今までありがとう…じゃあ…行くね」
藍が背を向ける。その小さな背中は何を抱えているの?
伸ばした手は藍に届かなくて…追いかけることも出来なかった。
横になり空を仰ぎ見る…
…気付くのが…遅すぎた…こんなにも苦しい…止める権利もない俺を…誰かが嘲笑ってる気がした
「藍…」
そのまま目を閉じると浮かぶのは瑞季との日々ではなく藍の事ばかり…
「俺…バカじゃん…」
起き上がり屋上の校庭の見える場所へ行くと小さな背中が横切る
「藍!」
呼んだら足を一瞬止めてくれたけど振り替えることはないまま校門を出ていった
「くそっ…」
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