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圭翔side 御木本に手を引かれ連れてこられたのは体育倉庫。 ここなら扉を閉めてしまえば外に声が漏れ出ることは少ない 「藍…藍…」 御木本が柄にもなく声を出して泣く俺を抱き締める。その御木本も同じように泣いていた 二人して散々泣き声も枯れてしまった。 「圭翔。」 「…」 「エッチしようか?」 「は?」 「体にね…蒼から教えられた快感が染み付いちゃって…苦しい…他の人に抱かれればそれも楽になる気がして」 「何言ってんの?そんなの…傷を抉る行為になるかもしれないでしょ」 「圭翔は優しいね。でもね…だからこそお前に抱かれたい。藍の代わりでいいから」 「そんなのダメだ…お前は藍じゃない。お前はお前だから…」 「そ…じゃあ…」 「うわっ…御木本!何すんだ…」 「大人しくして」 俺に馬乗りになり自分のネクタイで俺の腕を縛る。 「ちょっ…御木本!」 そのまま唇を塞がれ口内を動き回る舌に翻弄され息が上がる 「ふっ…んっ…御木本っ…」 すっかり力が抜けゆるりと立ち上がる己に驚き固まる 「よかった。反応してくれた。そのままじっとしてて…気持ちよくしてあげるから」 結局精神的に弱っていた俺は快楽に飲まれた 「御木本…これ…ほどいて…」 「んっ…あっん…だめっ…逃げちゃうでしょ…ん…」 俺の上で上下左右動きながら鳴く御木本は思っていた以上に綺麗だった 「逃げないから…お願い…」 しぶしぶネクタイをほどいた御木本を逆に押し倒す 「今度は俺に抱かれて?」 放課後になってもまだ俺たちは互いを貪っていた。 大きな大きな傷を互いで埋め合うように… 事が終わる頃には外はもう真っ暗でイキ過ぎてぐったりとした御木本を背負う。 「ごめんね。やり過ぎた…」 「圭翔…意外と…情熱的なんだね…このときは…まだまだやれそうだね…」 「うっせ…」 「ふふっ…最初から圭翔を好きになればよかった…」 「何それ…」 「何だろうね」 「今日はどうするの?蒼のとこに今住んでるんでしょ?」 「うん。一度向こうに戻って茜さんとさなえさんにご挨拶しないと」 「でもさ…このままじゃいけないねぇ…一旦俺んち来る?それとも実家帰る?シャワーくらい浴びてったら?」 「圭翔ん家連れてって。ご家族は平気?」 「俺独り暮らしだよ。ボロいアパートだけどいい?」 「独り暮らしなの?知らなかったよ。」 「正確にはそうなった…だけどね」 「そうなの?」 「そうそう。親父の事業がようやく起動に乗ったからもっと利便性のいいところへ越したんだ。でもそっちだと俺学校遠くなるし無理言ってそのままにしてもらった」 「ならまたヤれるね」 「お綺麗な顔でそんなこと言わないの」 「だって…気持ちよかったし」 「そうですかぁ」 自宅に連れ帰りシャワーを浴びさせさなえさんに連絡を入れてもらう 「さなえさん。瑞季です。今友人と一緒にいて…。はい。大丈夫です。それで…あの…今日は…泊まってきます」 「っ!!」 こちらを向き口パクでダメ?と首をかしげる御木本に息を飲む。何だか…可愛い…わざとらしくため息をつき『いいよ』と、俺も口パクで伝えた すると嬉しそうに笑い会話に戻る 「すいません。明日お話あるので時間いいですか?はい。あー…直接話したいので…はい。じゃあまた明日」 電話を終えると御木本がやって来て俺の膝に乗る 「泊まるって…お前…」 「…わかるでしょ?今日は蒼の顔見られない…」 「わかるよ」 「んじゃ。ヤろ?」 「だめ!これ以上やったらお前明日動けなくなるよ」 「そんなにするのぉ?圭翔のエッチ」 「うるさい。大人しくして飯食って寝ろ」 「はぁい」 苦しい心は見ない振りをして二人でずっとくっついたまま夜を明かした

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