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何の手懸かりも掴めないまま数年が経過した。 藍がいなくなって三ヶ月ほどは何も出来ず過ごしその後本格的に藍のことを調べたりもした。でもうまくはいかなかった。 藍がまだ九州なのか?それともまた別のところへ行ってしまったのかわからない。 あの後俺は瑞季と正式に別れ、今では圭と3人で過ごすことが増えた。 はじめは微妙な関係だったが瑞季は元々人付き合いが得意な奴だったから瑞季のお陰で圭との距離は縮んだ。 俺たちはそれぞれ大学へ進学していた。結局同じところなんだけど 「藍。今頃どうしてるかな?」 「さぁ?案外他に好きな人出来て幸せになってたりするかもね」 「それならそれでいいけど…」 「圭はまだ藍のこと好き?」 「好きだよ。でもあの頃の気持ちとはまた違うかな?今は元気にしてるのか?ちゃんと生きてるのか…一人で泣いたりしてないかってことを知りたい。また会って話したいな。友人としてね。蒼は?」 「俺さ…まだ好きで…スゲー会いたい…叶うなら…抱き締めて…でもさ。藍が幸せになってるなら…俺のこの気持ちはただの迷惑でしかないよな…」 「まぁ…でも…それならそれでちゃんとフられてからじゃないと先に進めないかもね。だって蒼モテるのに告白全部断っちゃってるでしょ?それって藍に縛られてるからだよね?やっぱり何とか藍探さないとかな…」 そんな会話をしていたのは大学の近くのファミレス。そこへ俺たちとは違う声がした 「瑞季…」 「っ…お前…優弥…」 そこにいたのは瑞季と藍をレイプした佐藤だった 「ごめん…もう二度と顔見たくないって…言ってたのに…ごめん…」 瑞季はゆっくり立ちあがり佐藤の目の前にたった。 「優弥…ごめんね。俺あの頃お前の気持ち気付いてなくて…俺が鈍いから…お前も辛かっただろ?」 「瑞季…」 「俺はもう大丈夫だよ。だから…笑って?」 泣きそうになっている佐藤の頭を撫で笑いかける瑞季は綺麗だった… 「ごめん…ごめんね…俺…」 「ほーら。イケメンが台無しだよ。ね?」 「で?どうしたの?こんなとこに。お前確か引っ越して今はこの辺りじゃ無かっただろ?」 「…藍瑠を見掛けた…出張で九州へ行ったとき…あいつ…歓楽街にいた…如何わしい店に入っていった…気になってその店の看板を見たら…男が色を売る店…そう言う専門のとこで壁に貼られたキャストの写真に…藍瑠が…顔出しで写ってた…呆然としてると店の人が出てきて…ナンバーワンだよって…教えてくれた…」 「は?」 あまりの衝撃に3人して固まった…

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