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藍瑠side 「オーナー。話って?」 「麗。引退だ」 「え?何で?急に…?」 「急じゃないよ。ずっと考えてた。お前はもう俺に借金は返し終わってる。ここにいる理由なんてない。だから…」 「俺には行く宛なんてないのに」 「最近のお前は魅力がない」 「え…そんな…」 「確かに予約は埋まってるが皆そろそろ指名替えを考えているんだ」 「…」 「やっぱり若い子の勢いにお前は敵わない。過去の人に縛られてるお前はこれ以上は…」 「縛られてなんか…」 「いないと言い切れるか?」 「っ…」 「あの…優良のお客様である…真琴さんからお前へ苦情が入った。あの人があそこまで怒ることは過去に一度たりともなかった…この意味わかるよな?」 真琴さんから…苦情が…蒼のこと考えちゃってるから?それでもいいって…真琴さん… 「麗。お前にはもう魅力はない。今日でラストだ。」 「…わかりました…」 真琴さんから苦情が入ったなら仕方ないのかもしれない…おそらく誰よりもお金を落としてくれた人だ… 気持ちを切り替えて仕事をする。 少しの合間で明日からのことを考えても仕事中だと蓋をした。

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