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「オーナー俺フラレちゃった」
「麗いいの?真琴さんみたいな良い男なかなかいないよ?」
「俺には勿体無い人ですからそのうち後悔するときがくるかもしれませんね」
「え…っ!ちょっと…藍…そう言わないでよ…」
「そのときはまた戻っておいでぇ。麗ちゃん。俺が受け止めてあげる」
「流石真琴さん」
「…なんてね、後悔なんてしないはずだよ。俺が保証してあげる」
「ふふっ…本当に…ありがとうございます。真琴さん。大好きですよ」
「こーら。そんなこと言うと木築くん怒っちゃうよ」
俺の知らないうちに繋がれた彼らの縁。
きっと沢山のことがあったのだろう。俺には到底わからない。
少し嫉妬してしまうけれど今こうして藍が自然と笑っているのなら…
「じゃあ。荷造りの続きしよっか?あ…木築くん。帰りのチケットとってる?」
「いえ。これからです」
「君たちが大丈夫なら今日はうちに泊まっていく?紹介したい人がいるんだ」
少し考えた。でも真琴さんのご厚意をありがたく受けとることにした。
荷造りを終えた俺たちはオーナーに挨拶をし部屋を出た。
日は高く上がりもうすぐやってくる春の気配がしている。
ねぇ。藍…これから死ぬまでずっと…一緒に…こうして手を繋いで…季節の香りを感じていきたいね。
ずっと隣で笑っていて欲しいよ。
「どうしたの?蒼」
「ん?内緒」
今言うと重たいやつって思われちゃうかもしれない。それはすこしイヤだからまだ俺の胸の内は秘密…
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