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何でお前なんか…15
部屋に戻り顔をあげる。マコとミトが笑う
「やっぱり凩は綺麗だね。その姿…好きだよ」
「ありがとう…マコ…」
「凩は美人さん!でもね真琴はあげないよ」
「わかってるよ…僕の思いが届かないことくらい…あんなに酷いことをしてごめんね。マコ…」
「いいよ…途中からは俺もお前を求めてしまったし…お互い様だ…」
「ねぇ。マコ。記憶が戻ったのならあのことも思い出したでしょ?」
マコにしか聞こえない声で耳打ちをする。
すると小さく首肯くマコ…
「マコ。頑張って。僕はまた仕事が詰まっているから帰らないと。飛鳥さんありがとうございました。お世話になりました。本当に…申し訳ありませんでした」
「いいえ。また店利用して下さいね。必要なときがあれば…ですけど」
「ありがとう…改めてまた謝罪にうかがいます。木更津社長。あの案件はできればこのまま進めていきたい…」
「こちらからもよろしくお願いします。竜胆社長。今度はみんなでたのしいお食事会でも開きましょうね。お仕事抜きでも…ね?」
「楽しみにしています。あ…そうだ…これ…私のプライベートフォンの番号です。ご連絡いただければ嬉しいです」
「ありがとうございます。」
「雨を見つけていただいてありがとうございました。雨が生きていた事が知れただけで嬉しかった…雨ありがとう…元気でね。サヨウナラ…」
雨には帰る場所が出来た。これでいい。もう僕を脅かすものもないのだから雨には幸せになってもらいたい…
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