304 / 356
18
緋色side
もうどうして良いのかこれから何がおこるのかわからなくて言葉が出ない…萌葱を…助けないといけないのに…動けない…悔しくて俯いていたらトマリが萌葱に話しかけた
「なぁ。萌葱」
「何?」
「このことばれたらお前困るんじゃない?」
「は?」
「大人気モデルのお前がゲイでしかも近親相姦とか…」
「何が言いたい?」
「このことばれたらお前だけじゃなくお前の自慢の両親や大人気モデル、コウにも迷惑になるじゃん」
そうなのだ…同性愛に関してはおそらく俺たちの両親は何も言わない…しかし、俺たちは血の繋がった兄弟…両親に言えるはずもない…それに姉の紅は今テレビや雑誌を見れば必ずみるような人気モデル…その弟で同じモデルである萌葱がそれだったとして…間違いなく…萌葱だけじゃなく姉の仕事にも支障が出るだろう…
「ばらされたくなかったらさ…家族守りたかったら…お前の事抱かせろよ」
そんなのだめ!思うのに何も言えない自分が情けない…怖いのだ…それでも萌葱はトマリをしっかり見据えながら言い返す
「は?」
「ゲイならいけるだろ。お前お綺麗な顔してるし男同士のそれ興味あるんだよ。」
「さっき、気持ち悪いって言ってた。それならお前もお仲間になるけど?」
二人のやり取りに気をとられていたらもう一人の友人が俺の元へ来ていたことに気付いてなかった
「へぇ…そんなこと言っちゃっていいの?」
気付いたときには遅くて男が俺を抱き締め耳朶と首筋を嬲ってさっきの萌葱のキスで緩く立ち上がっていた俺の中心部を触ってきた。
「やだ…離して…」
「緋色っ…!」
「緋色。萌葱からのキスでこんなんなってんの?やーらし」
やだ…やだ…嫌なのにどうすることもできなくて涙がこぼれた…
「やめろ!!」
萌葱の叫び声。それに気をよくしたトマリは続ける
「やめて欲しかったら言うこと聞けるよね?」
だめ!だめだよ!いやだ…やだよ…何で俺はこんなに…こんなに弱いの?どうして言葉が出ないの?
「わかった…緋色はもう帰していいだろ?さっきのも俺が勝手にしたことだ」
「うーん…ダメ」
「は?」
「面白そうじゃん!お前の姿見て緋色がどうなるか。双子だからもしかしたら何もされてない緋色まで啼いちゃったり…はは…面白い」
「おい」
何とかやめさせようと身を捩るけど俺はそんなに力は強くない。更に強く体を抱き締められた。そうして他のやつらも俺に近付いてきた。勿論緑も。
俺は呆気なく制服のネクタイで椅子へ縛り付けられた
「萌葱…」
ごめん!ごめん…守れなくてごめん…ごめん…
なんとかしなくちゃ…助けられてばっかりじゃダメなのに…
「やめて…やめてよ…萌葱悪くないもん…俺がここで苦しくなったから…だから萌葱が落ち着かせてくれただけだもん…やめてよ!やめて!」
何とか口を開き必死で訴えるけれどみんなには届かない…
「かぁわいい…」
そんなこと言われたってちっとも嬉しくない
「本当に…こんなに作り同じなのにねぇ。緋色の方が可愛いげあるよね。本当はね今日ここで緋色犯そうと思ってたの」
「何?」
え?…トマリの思わぬ言葉に息を詰める…
「だーってぇ!こんなチャンス無いじゃん!萌葱が側にいると何もできねぇし」
「え…何で…そんな…友達だったのに」
「お前が人の女奪ったからだろ!!」
「え?」
「お前に惚れたから俺と別れたいだと。ふざけるな」
「そんなの…俺はちやちゃんを奪おうなんて考えたこと一度もないよ」
「それでも気にくわない。前からそうだった。どんな奴も皆…やれ萌葱だのやれ緋色だの。部活だってそうだ。大した実力無いくせにそのお綺麗な面で媚売ったんだろ?一年からスタメンなんて。専らの噂なんだよ。緋色。お前がコーチを誘惑したってな」
「そんなの知らない!そんなことやってない!」
「どうだか。だからお前を…と思ってたんだけど…お前本人より大切な家族の萌葱が目の前でやられる方がお前には…いいよな?…。まぁ…まさか萌葱がお前のことそういう意味で好きだと知ったのには多少驚いたしやっぱり気持ち悪いけどね。さぁて…始めますか」
ともだちにシェアしよう!