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緋色side 卒業まで只管避け続け大学の辞退の連絡や向こうに行くための準備を秘密裏に進めてそしてやっとその日が来た。 今日は卒業式…今日は卒業式が終わり次第萌葱は仕事が入ってた。泊まりの仕事…だから…今日俺は日本を発つ… いつも一緒に歩いた通学路…一緒に見上げた桜の木… 一緒に過ごしたグラウンド…体育館…そして…俺たちを繋ぎ離した教室… どこにいっても萌葱との思い出が沢山で涙は止まらない… 「緋色」 「トマリ…」 「ごめん」 「え?」 「萌葱のこと…ごめん…あのとき俺…どうかしてた…謝っても許されないことしてきた…本当にごめん…」 「トマリ…もう…同じこと繰り返さないで…俺ちゃんとわかってる…トマリがそんな奴じゃないことくらい…途中から罪悪感感じていたことくらい…」 「緋色…お前大学行くんだろ?俺も同じとこだからまた仲良くしてくれる?」 「ごめん。それは無理だよ」 「そうだよな…」 「俺…大学辞退したんだ」 「どういうこと?」 「元々中学の頃からギリシャに行きたいって言ってたでしょ?」 「うん」 「だから今夜の便で向こうに発つの」 「は?」 「ここには辛いことが多過ぎて…苦しい…」 「俺たちのせいだよな…」 「元々はそうだね…でもね…俺も萌葱が好きだったの…勿論萌葱と同じ好き…」 「っ…」 「気持ち悪いでしょ?トマリはそういうの嫌悪感あるでしょ?俺ね物心着いたときから萌葱のことが好きだったの」 「そんな…」 「ふふ…変な顔…でもね…この思いはもう封印するの…こんなの…誰も幸せになんてなれないから…トマリが何度も言ったみたいにね」 「俺には…到底理解できなかった…でも…少し気持ちはわかってきたんだ…男ってわかってんのに…俺も惹かれたんだ…萌葱にね…あんなに嫌悪してたことなのにね」 「ふふ…だめ。トマリにはあげない。嫉妬深すぎて萌葱のこと閉じ込めちゃいそうだもん。仕事でみんなにいい顔してるの気にくわないとかいってね」 「萌葱が俺のこと好きになることなんてない。だからそもそも期待もしてないけどね…もっと違う形で…気付きたかった…」 「今さら…後の祭りだね…トマリ。トマリは女の子のことも愛せるんだから難しい方にいかなくてもいいんじゃない?今でこそ同性愛者って随分と偏見減ったけどやっぱりまだ大部分は否定的だから。トマリ…沢山傷付けてきた分だけ幸せになって…じゃあ…行くね。バイバイ」 「緋色…」 急にトマリにふわりと抱き締められる 「泣いていけ…ここで…俺が見ておいてやるから…お前の決意」 「ははっ!偉そう…っ」 軽口で返そうって口を開いたのに… 人の温もりがとても優しかったこと忘れてた…ずっとずっと…萌葱と一緒にいたかった…いろんな思いがトマリの体温に誘発されてもう…我慢ができなかった…堰を切ったように涙が溢れた 「…うっ…え…俺…俺…萌葱が…好きなんだ…どうしようもなく…どうしたら良かったかな…えっ…んん…な…何すんの…」 そんな俺に何故かキスをしてきたトマリに呆然として涙が止まった 「え?あ…何でだろ?キスしたくなった」 「もう!意味わかんない!トマリは浮気者だ!萌葱が好きとか言ったくせに!やっぱりトマリには萌葱はあげな…っんん…ちょ…やめ…」 舌までいれてきたトマリ。巧みな舌使いに翻弄される。 「んん…やだ…やめ…」 「やだ…」 「んん…やぁ…」 「萌葱のこと…忘れたくない?緋色…」 「…っ…」 「俺んち来て?」 結局断れなくて大人しくついていった

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