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その後は暇が出来る度空雅に会いに行った。本当は外でも普通に会いたいけれどそれは店側が禁止しているから。 お客さんを守るためキャストを守るためのルール ただ一つ。キャストと個人で会う方法。それは身請けすること。 空雅には沢山の身請けの話が来ているが空雅はなかなか首を縦には振らないらしい。 そんな空雅の身請け金は多額で。でも俺にとっては端金。幼い頃からのお金をほとんど使うことなくそのままにしてたから。 空雅が何故身請けされないのかは勿論教えてもらえないけどもし機会があるならそこから出してあげたい。 あの中で生きていかなくても空雅なら生きていけるはずだから。 だってそうでしょ?頭も切れるし腕っぷしもいいし見た目はいわずもがなだし なんの理由でここにいるのかは知らないけど明るい太陽の下で歩いているのが似合うと思う こんな薄暗い場所じゃなくて…でも…ここにいる理由が空雅にあるのなら無理強いも出来ないけれど 会いに行って友人のように過ごして体の関係は一切無いけど嫌な顔一つせずに付き合ってくれる空雅に俺の中で何か違う感情が芽生えてきてるのも事実で… 今日もいつものように空雅に会うためここに来たんだけれど… 「空雅。お疲れ様」 「ありがとう。萌葱もお疲れ様」 ん?んん?今日の空雅は何だかいつもと違う色香を纏ってた 「今日も忙しいの?」 「ぼちぼちかな?」 忙しくて沢山してきた?だからそんなに色っぽいの?てか…今日の格好…すごいな… 「空雅」 「ん?」 「あのさ…」 「ふふ。なぁに?らしくないじゃん。どうしたの?」 「今日のその格好…すごいね」 「そう?」 今日空雅が着てるのは大きめのシャツ…所謂彼シャツ状態にガーターベルトとブーツ 何だか…めっちゃエロい… 「なんか…えっちぃ…」 「そろそろ萌葱を誘惑しようかなぁって思ってね」 「え?」 誘惑?俺を?え?えぇっ!!?? 「そんな驚かなくても良いじゃん!萌葱お金払った分元取ってないじゃん。それともやっぱり俺じゃムリかな?反応しない?」 「…えっと」 いや…自分でもビックリしたんだけど何か反応してる。いつも緋色の事を思うときだけ熱くなってたのに男の本能ってやつ?最近忙しくて自分でもしてなかったし… 「なぁんてね。無理には言わないよ。それにお客様のお望みを叶えるのが私の仕事ですから」 悪戯に笑う空雅がスッゴク可愛い。俺をどうするつもりなの?もう… 「空雅…お前さぁ…」 「ん?」 悪戯っ子の空雅を驚かせるためにいきなり距離を詰めてみたけど…いつものように空雅は笑いかけるだけ。これがプロ?俺一応そっち路線でも重宝される容姿してるはずなんだけどな… 「空雅…俺をどうするつもり?」 「ん?恋人ごっこでもしてみる?」 そう言うと空雅は俺の頬に唇を寄せてきた。そっと触れた空雅の唇は柔らかくてプルプルしてて美味しそうだった。 緋色…緋色はもう俺のじゃない…緋色…もういい?他の人とそんな関係になっても…俺…待つの疲れちゃったよ… 「萌葱。僕を抱く?」 そんな俺に甘い香りを放って…もう…いいかな…フラフラと空雅に誘惑されて…捕らわれた… 仕事じゃないとこで初めて緋色以外の唇に吸い付いた… 空雅はそれをゆっくり受け入れて俺を誘っていく… さよなら…緋色…

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