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旅立ち

卒業式 俺は一本の桜の木の下に立ち町を見下ろした 落ち込んだときや一人になりたいときここにきていた 学校が小高い山の上にあるのでここにいると空でも飛んでいるようだった ここを吹く風が好きでここまで仄かに薫る潮の薫りが大好きで… 生まれ育ったこの町が大好きで… でもここを出たら俺はここには帰らないと決めていた ここにはいい思い出ばかりではないから 茜と出会い茜と育ち茜と過ごしてきた忌ま忌ましい場所だから 1つ深呼吸をし帰宅した 明日は引っ越し 俺の旅立ちの日

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