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新しい友達
「あ!!ねぇねぇ。君名前なんて言うの?」
見知らぬ男子生徒が俺に声をかけてきた。
人懐っこそうな笑顔に釣られて笑う
「うわぁ…美人…」
「は?」
「あの日も思ったけど破壊力半端ないね。俺は如月。如月蓮華だよ。よろしくね」
「あ…よろしく。俺は北時 さなえ」
「先週さ学校見に来てたでしょ?」
「うん」
「俺もあの日いたんだよ。桜の木の下で微笑んでる姿見てうわぁ…美人だなぁって思ってたんだよね」
「美人って…俺男だし。眼科いったら?」
「ははっ。そうする。でも美人だよ?」
蓮華は屈託なく笑う奴で直ぐに仲良くなれた。
「入学式始まるね」
「そうだな」
式は厳かに始まった。校長の話とか来賓の話とかいろいろ聞いて…ってほとんど覚えてないけれど…次は新入生代表挨拶だ
『新入生代表。木築 茜』
思わず声が出そうになる…でも同姓同名の全く別人かもしれない…ここにあいつがいるはずない…
でも壇上へ歩みを進める姿は…よく見知った姿で…周りから溜め息が漏れる
「ねぇ…さなえ…あいつカッコ良すぎない?すげぇ…あんな人普通に存在するんだ…」
小声で話しかけてくる蓮華に俺は何も言えないままにうつむいた
何で…何でお前がここにいるんだよ…何でこんなとこに…
凛とした声で挨拶を終え舞台から降りてくるあいつは俺を見つけしっかり俺を見据え笑った…
入学式は終わったのに椅子にかけたままの俺を訝しげに見詰めた蓮華。無理矢理に立たされて教室へ戻った
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