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再び…
何でまたこいつが俺のとなりにいるんだろう…
「茜」
「何?」
「何でお前がここにいるんだよ。他で決まっていただろ」
「あぁ。そんなのさなえがいるからに決まってるでしょ」
「は?」
「俺はさなえから離れるなんて考えられないから」
「…俺は…お前から離れたい…だからここにしたのに何でまた…」
「え?」
今にも泣き出しそうな顔で俺を見つめる。
あぁ…この顔…久しぶりに見たな…
「お前といると俺が惨めだ。お前には何も勝てないしまた皆に比べられて…お前関連で嫌がらせ受けることももう嫌だし、お前を紹介してくれだとか手紙渡しといてくれだとか…何で俺がお前のために動かないとならない。もううんざりだ。だからここではあまり話しかけないでくれ」
それだけいうと足早にそこから立ち去る。一時でも早く違う空気が吸いたかった…
「うわっ!!」
いきなり後ろから引っ張られて気づけば茜の胸に背を預けていた
「何?」
「それってさ…俺に勝てれば一緒にいたいと思ってるってこと?」
「は?」
「だから何かしら俺に勝てば俺と一緒にいてくれるの?」
「…嫌だ…そんなことできるはずない…」
「じゃあさ次の試験のとき…さなえが勝てば一緒にいられる?」
「お前さ…手抜きしようとしてない?そんなんで勝ったって嬉しくもなんともない」
「手なんて抜くつもりない…」
「その微妙な間は何だよ…お前バカにしてんだろ?たまたま近くに俺がいたからって…」
「やだ…俺はお前のこと好きなのに…」
「俺は嫌いだ」
「そんなの…」
「離して」
「…」
「離せって…」
「さなえ…」
もう茜は追いかけて来なかった
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