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結局変わらない日常
翌朝二人分の弁当を用意して茜を迎えに行った
ムカつくくらいカッコいい佇まいに舌打ちをする
同じ制服なのに何でこうも違うんだろう?
俺に気付いた茜は満面の笑みで手を挙げ駆け寄ってきた。
それはまるで犬のようだった
「おはよ!さなえ」
「おはよ。顔色良くなったな」
「さなえのお陰でね。でも何で黙って帰っちゃったのさ…起きたらいないから焦った…寂しかった…」
「お前さ…子供じゃないんだからいちいちそのくらいでそんな顔するな」
「だって…」
「あ。そうそう。蓮華がね…あぁ同じクラスのやつなんだけど…お前と話してみたいって…」
「蓮華…呼び捨て?仲良いの?」
「あぁ。席が前後で始めに話したのが蓮華でそれから仲良くなった」
「そうなんだ。入学式の日さなえと話してた奴?」
「そうそう。で今日の昼休み一緒に飯食わねぇ?お前の分の弁当作ってきたし」
「え!!弁当?ありがとう!!」
「ほれ。渡しておくね」
「うん!」
「少し多目だからお前も友達つれてこいよ。この間のやつとか仲良いんだろ?」
「…」
「蓮華もいいやつだしすぐ誰とでも仲良くなれるから大丈夫」
「ん~誰かいたら連れてくる」
その後は二人で何でもない会話をしながら学校へ向かう
何も変わってない俺たちの関係。もう俺は劣等感なんかには気づかない振りをして開き直ることにした
仕方ない。茜だし…
きっとこれからも変わらず一緒にいるしかないのだろう
このときまではそう思っていた
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