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回り出す

翌日から蓮華は学校を休んだ。体調不良ということだったが俺は連絡さえ出来なかった 「北時」 「何?」 「お前さ如月と仲良いだろ?何か聞いてないの?」 「何も…」 「ふーん…お前もあいつ利用したかったんだろ?」 「はぁ?」 「だってあいつ如月グループの御曹司だぞ。あやかりたいじゃん」 「そんなこと思ったこともない」 「またまたぁ…」 下品な笑顔を浮かべ話しかけてくるこいつが気持ち悪い 「如月ってさ何か生意気だと思ってたんだよな…金持ちだからってみんなにいい顔してさ」 「蓮華はそんな奴じゃない」 「じゃあさ何でお前にすら連絡寄越さないの?友達なら連絡してもよくないか?」 「それは…」 「北時は田舎から来てあいつのこと知らなかったから見下されていただけだって。何も知らないお前に良くして笑ってたんだって。馬鹿な田舎者だって」 「それ以上言ったらただじゃ済ませないけど?」 急にそいつの背後から低く響く声がした 「は?お前…。木築…」 「その田舎者って俺もだけど?お前その田舎者にこの間告ってきたんだろ。笑える」 「なっ…」 回りがざわつく… 茜は確かに男にも女にもモテるがまさか既にそんなことになってるなんて… 「断ったら抱いてって泣きついたの誰?」 「ちょっ…止めてくれ…」 「俺の大切な人にその物言い…わかってんの?あの日何があったのか覚えてないわけないよね?」 「やめてくれ…」 さっきまで下品に笑っていたのに今にも泣き出しそうな顔で教室から走り去った 回りのざわつきも水を打ったように静まり返り皆で茜を見詰めていた 「さなえ。ちょっと来て」 引きずられるようにして茜に連れてこられたのは空き教室だった

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