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約束
「茜…ねぇ…葵さんの思い聞いたことある?」
「母さんの?」
「葵さんは沢山子供が欲しかったって話」
「あぁ。母さんは子供好きだからね」
「葵さん言ってたよ?お前には沢山子供がいてくれればって…」
「ん…」
「俺はさ…子供が産めないじゃん?だから俺はやめときなよ」
「作る…」
「え?」
「だから俺が作る。俺が勉強頑張ってきた理由は…お前との子供が欲しくて…いつかそれを作り出す研究所に入りたくて…色々調べた。かなりの学力が必要でしょ?中学の時俺はそれに関するレポートを纏めてそこに送った。そしたらね…高校卒業後特別枠で入らせてもらえることになった。だから…俺が早く完成させる」
「…」
「ねぇ…さなえ…俺はお前が好き。お前以外考えられない…だから…もし…この気持ちに答えられない理由がそれなら…」
「茜っ…バカっ…そんな…こと思ってたの…?」
「だって俺にはお前しかいないから…」
俺は自ら唇を重ねていた
何でこんなに真っ直ぐに見詰めてくるんだろう…そんな目で見られたら逃げられないのに…もう…
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