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約束
「さなえっ…」
「ねぇ。茜…約束…薬完成させるって約束…してくれる?」
「お前のためなら何だってする」
「バカだな…本当に…お前くらいの奴なら引く手数多なのに…よりによって俺を選ぶなんて…」
「バカでもいい。俺はお前と初めて会ったときからお前しか見えていないんだから…」
「ほんと…バカ…俺は…お前を諦めようとしたんだよ…」
「え?」
「俺だって…ずっと…お前が好きだったから…でも…俺には子供なんて…産めないからって…俺は葵さんのことも好きだから…葵さんも幸せそうに笑ってなきゃ嫌だった…だから…」
「さなえ…」
「もう…お前には敵わないな…」
「俺の恋人になってくれますか?」
「はい…」
「っしゃ…!!やっと…やっと…手に入れた…絶対離してなんてやらないからね」
「バカ…離すなよ…で…もう他に手出すんじゃねぇぞ…」
「お前がいればいい。これまでのは…お前に近付かせないためのことだったんだから…」
「はぁ?」
「俺…かなり重いからな…覚悟しろよ…」
「まじか…やっぱ…なしに…」
「するか」
「ですよね…」
俺はとんでもない奴に捕まったのかもしれない…とにかく目が怖かった…
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