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二人の時間

「さなえ?っ…何で…泣いてる…の?」 「ふえっ?えっ…あれっ…」 「うわぁ…ごめん…そんなに嫌?」 「うぐっ…わか…っ…ないっ…」 「さなえ…」 独り暮らしにしては大きなベッド…そして過去の事… ここで沢山の人を抱いてきたんだと思ったら泣いてしまったようだった 自分が一番驚いている… 「ちがっ…だって…」 苦しそうに茜が俺を見つめている 「ちがうっ…いやとかじゃない…茜…茜…あのね…」 茜が黙ったまま俺の髪を撫でる。優しい温もりに少しずつ落ち着いてきた 「俺…茜と関係あった人にヤキモチ焼いちゃったみたい」 「え?」 「ここで…沢山抱いたんでしょ?この数ヵ月で…それ考えてたら苦しくなっちゃって…」 「さなえ…あのさ…」 「ごめっ…今は俺だけ見てくれてるのわかってるよ?でもダメで…俺…」 「さなえ…あのっ…」 「ごめん…ごめんね?俺思ったよりお前の事…好きみたい…だから…ごめ…」 「さなえ!」

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