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二人の時間
茜にきつく抱き締められて驚いて涙が止まる
「茜?…」
「まじかぁ…あぁ…もう…どうしよ…この子…」
「茜??何?」
身動いで茜を見ようとするけれどそれは茜の力で叶わなかった
「待って待って…今は見ないで…」
「え?何で?」
「嬉しくて…」
「嬉しい?」
「ヤバい…」
どうにか茜の腕の中から出て茜を見上げる…
あ…
「今ダメだって言ったじゃん…」
耳まで赤くして目を潤ませ照れる茜の姿を見つける。
締まりの無い口元を手で覆った姿が妙に色っぽい…
「あのさぁ。さなえ」
「うん?」
「この家には引っ越しの日に母さんと業者の人あげて以来誰もあげてない。お前しかここへは来てない」
「この大きいベッドは?」
「これはこっち来たときに買ったやつ。俺以外寝てない」
「大きいのは何で?」
「そんなの…お前と寝たかったから…はっ…!!」
「え?」
「あぁ!!もう!シングルベッドで密着して寝るのもいいなって思ったんだよ?でもさぁ…広い方が色々出来るって…思って…さなえ?」
「俺と寝る…前提?」
「そうだよ?どんな手を使ってでもお前手に入れるつもりだったから」
犯罪紛いな茜の暴露を聞きながら固まる
「こわっ…お前…こわっ…」
「あぁ!!お前相手ならなんだってする」
「本当にこわい…俺がお前受け入れなかったら…」
「ん?最悪監禁…」
「いやいやいや…やめて…そんな真顔で言うの…本当に…こわいから」
「だったら…俺から逃げないでね?さーなーえ」
「…逃げるわけ無いじゃん…」
「ふふっ…いい子…」
本当に…やりかねない…でも…嬉しいって思ってる俺は異常かもしれない…
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