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家族
薊side
一度も連絡してこなかったさなえから久しぶりに電話があったと思えば茜くんとルームシェアしたいとのこと
茜くんがさなえと同じ学校になったということを知ったは高校進学して一月ほどたっのた頃だった
「薊さん。お久しぶりです」
「あぁ!!葵さん!お久しぶりね」
「さなえくんから聞いていますか?」
「何を?」
「茜、さなえくんとどうしても一緒にいたいからって志望校変えて今さなえくんと同じところにいるんですよ」
「え?そうなの?何も聞いてない…なら安心。茜くんしっかりしてるから。良かったぁ…」
「しっかりしているのはさなえくんの方ですよ。茜はさなえくんいなかったら頑張れていないと思いますから。ねぇ、薊さん」
「ん?」
「もし…もしもですよ…二人が…お付き合いしていたら…どうしますか?」
「茜くんとさなえが?」
「えぇ…茜…さなえくんに対しての思いが…強い気がして…執着心というか…」
「…ん~…私は…さなえが茜くんのことそういう意味で好意を持っているのなら…許しちゃうかな…私…親バカだから…結局さなえの言うこと聞いちゃうんです…」
「でも…男性同士ですよ?」
「葵さんは反対?」
「私は…さなえくんならいいです。さなえくんになら茜任せられるから。孫は…残念だけど…」
「そうね…でも子供の幸せが私たちの幸せでしょ?私は今ならわかるけど…さなえにねすごく酷いことしてきたなって…思ってるんです。さなえ自身を見てあげてなかったなって…いつも茜くんはできるのに…ってついつい言ってしまって」
「私もです…すぐさなえくんを引き合いに出してしまっていたから…」
「何か…酷い親ですよね…一人一人違うのに…」
「そうですね…」
それから少し会話をして分かれた
「茜くんか…」
そういう風に考えたことはなかった…さなえは…茜くんには劣るけれど我が子ながら顔も可愛い顔してるし勉強もスポーツも家のことまで何でもできる…
女の子にもモテるのは何となく気づいていたけど…そういえば…女の子と一緒にいるのは見たことがなくて…
でも男の子と一緒にいるときは何となく距離感がおかしいなって思ったりもしてた
普通に女の子とお付き合いして結婚して…普通の家庭を築くものだと疑って無かったけれど…
さなえは男の子を引き付けるのかもしれない…
でもどうせそういう風になるのなら茜くんがいい。
茜くんはとてもしっかりしているしよくさなえのことみていてくれたから
引っ越しの日。雰囲気ですぐわかった。
あぁ…二人はやっぱりそうなんだって。
でも不思議と嫌悪感なんてなくてむしろ幸せそうで嬉しかった
二人の邪魔はしたくなくて早めに帰ろうと葵さんに耳打ちした
二人が…ずっと一緒にいられるといいな…そんなことを思いながら立ち去った
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