52 / 356

はじまり。秘密

茜の膝に抱かれたまま声のした方を見る 「五月女先生…」 「おやおや…仲がよろしいですね」 「うわっ…ちがっ…」 「そうですよ。先生にもあげませんからね」 「ちょっと茜…何言ってるの?」 「ほぉ…それは残念…狙ってたんですけどね」 「は?」 「くくっ…冗談ですよ。木築くん顔怖いですよ」 「そうですか?先生。冗談でもそれはいただけないですよ…生徒に手出しちゃダメでしょ」 「そうですね。お弁当美味しそうですね」 「先生も食べますか?」 「いいんですか?」 「えぇ。どうぞ」 「だめ!!先生はだめ!!」 「茜。黙って。そして離して…離さないと今日家帰らないから。蓮華。泊めて」 「おー。いいよ」 「だめっ!!」 「なら離してくれるよね?」 渋々膝から下ろして拗ねたようにうつむいた。可愛い… 「ふふっ…あの木築くんが形無しとは…いい顔見られました。お弁当も美味しいです。北時くんはいいお嫁さんになりますね」 「お嫁さんて…」 完全否定できない… 「はぁ…やっぱり北時くんは可愛いですね」 「先生まで…やめてください…」 そっと俺の頭を撫でるゆりちゃん先生は妖艶な笑みを浮かべ俺を見詰めた… うわ…この人こんなにエロい顔してたっけ…やばっ… 「ゆりか…いい加減にやめろ」 「権堂?」 「はぁ…恒久…学校ではその呼び方はやめろつってんだろ…」 いつものゆりちゃん先生とは全く違う声色に3人で固まる…何で権堂は先生とそんな風に話せるんだろうて

ともだちにシェアしよう!