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アルバイト
「あ…茜くん。この子が無理矢理私を…助けて…」
茜がこちらを一瞥する
「ちがう!!俺は…何も…」
茜が言葉を制する
「それは申し訳ございませんでした。こちらのものにはしっかり言い聞かせますので…許して頂けませんか?」
「…っ…じゃあ…送って?家まで…」
「茜っ…俺っ…」
「かしこまりました。参りましょうか」
茜は俺に背を向けその人の肩を抱きながら去っていく
俺はそこで動けないままその姿を見送っていた
どうして…茜…俺…
「あれー?さなえ。どしたの?もう帰ったかと思っ…さなえ?」
「俺…何で…俺何もしてないのに…」
「さなえ。一先ず店戻るぞ」
店に戻ると暖かい飲み物を出してくれた
「何があった?」
「…っ…俺っ…」
先程の出来事を店長に話す
「すいません…俺」
「お前何も悪くないじゃん。茜だってわかってるはずだぞ」
「でもっ…茜は…何も…何も聞いてくれなかった…女の人と一緒にいっちゃった…どうしよぉ…また…っ…」
…もう誰にも触って欲しくないって言ったのに…それなのに…抱くの?
「大丈夫だって。茜はそういうやつじゃないだろ…」
「でも、っ…」
その日茜は帰らなかった…
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