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そして翌朝
目を開けると柔らかく頬笑む茜と目が合う
「おはよぉ。」
「ん。おはよ。」
体はまだ痛いけどそんなこと気にならないほど心が暖かい
「大丈夫?」
「大丈夫じゃない…」
「だよね…ごめんねぇ!へへっ」
「絶対ごめんって思ってないだろ…」
そんないたずらっ子みたいな笑顔も可愛いけど…絶対言わない
「ねぇ…茜。抱き締めて?」
「うん。喜んで」
茜の腕の中はやっぱり安心する
「ねぇ。さなえ。俺たちのこと話しちゃおうか?みんなに」
「え?」
「うちの母さんや茜の家族に」
「いや…流石にまずいだろ…」
だって俺たちは男同士だ…
「俺は…みんなにもし認められなかったとしてもお前を離す気はない。お前は違うの?」
「いや…だって…俺はいいけど…葵さんにはお前しかいないんだぞ?」
「それでもお前以上に大切なものなんてないから」
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