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文化祭
少しだけ開いたカーテンから覗き見る
やっぱり茜は囲まれていてあの爽やかな笑顔で接客していた
すごく…カッコいい…何着ても似合うなぁ…
「茜…流石だな…」
「だな…俺帰っていいかな…」
「恒くん大変なことになるぞ」
「だよね…」
ゴンちゃんから声をかけられお客さんに挨拶をしてこちらへ歩いてくる…
すげ…みんな見てるし…
「さなえぇ!!会いたかった」
「こんなになってるってさっきの客見たら驚くだろうな…」
「確かに…」
「さなえ!さなえ!さなえ!」
「しつこい…頬擦りするな…」
「だってぇ…昨日寂しかったぁ」
「仕方ないだろ…」
「蓮華ずるい…さなえと泊まりなんて…」
「いやいや…俺だけじゃねーし」
「さなえの寝顔堪能したやつ絶対いる…」
「何が楽しくて俺の寝顔なんか見るんだよ」
「だって可愛い…」
「うるさい…」
「新山に告られただろ!?」
「は?」
新山とはあの彼だ。何で知ってるんだ…
「新山が話してるの見かけた…」
「あぁ…でも断ったよ?」
「当たり前でしょ!!さなえには俺がいるんだから!でもさ…俺と付き合ってるって言ってくんなかったみたいじゃん…」
「だって…それはお前に確認しないと…」
「言ってよ…宣言してよ」
「もうあんなことないとは思うけど?」
「いーや!あるかもしれない!!そのときはちゃんと伝えてよ?」
「わかった…」
「ねぇ。恒久」
「何だ」
「俺休憩行って良いかなぁ…さなえとイチャイチャしたい」
「だめだ。お前の休憩は午後からだろ」
「だって…それじゃあ一緒に回れない」
「午後からなら…俺と蓮華は15時から休憩だけど?」
「俺…13時から14時までだし…時間合わない…」
「あぁ…まぁ仕方ないか…明日は?」
「明日は午前中。10時から11時。後は15時でおしまいだからそのあと片付け。後夜祭は出れるよ」
「ん~明日も俺たち午後から当番だし明日なら一緒に回れる。な?蓮華」
「さなえ…茜がすごい顔で睨んでるから…明日は二人で回れ…」
「えぇ…いいじゃん」
「やだ!」
「茜。お前が言うな!!」
「やだよー二人で回ろうよ!ねっ?」
「わかった」
「やた!頑張れる!!」
「木築!!」
「呼ばれちゃった…行かないと…戻る前に…ぎゅーっ!!大好き!さなえ」
思いっきり抱き締められる。
「よしっ!充電完了!恒久。ありがと。お前も戻らないと…ごめんな?時間使わせちゃって」
「ほぉ…」
「何?蓮華」
「いやぁ。茜もそんなこと言えるんだな…と」
「恒久だけだけどね」
「じゃあ。頑張って」
ひらひらと手を振り戻っていく茜を見送り店を出た。茜が出た途端黄色い声が上がり頭が痛くなる
「ほんと…すごいよな…」
そのあとは色々回り楽しく過ごした
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