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文化祭2日目 茜side

今かなりイラついている…人が途切れないから休憩になんていけない。 只管張り付けた笑顔で黙々と仕事をこなす 全員が手が空いていなくてさなえのところに行けない… さなえ一人にしたらまずいのに…今日はあいつが来るって聞いていたから あいつは新山と同じ中学だと言っていた あいつが初めてさなえを見付けたのは新山と蓮華とさなえの3人で文化祭の買い出しに行ったとき 文化祭の準備が忙しいさなえと蓮華はしばらくバイトを休んでいて俺は変わらずバイトをしていた。 たまたまゴミを出しに店の外に出たとき3人と遭遇した。 少し会話をしていると新山が誰かに声をかけられた。 さなえは俺と蓮華の3人で話していたから新山の旧友の顔は一瞬しか見ていない。 でもあいつはちらちらとさなえを見ていた あの目はさなえを欲している目…そんな目は俺はすぐにわかる 新山が戻ってきて話を聞くと中学の同級生で仲は良かったと言っていた あいつは見た目はそこまで派手ではないが整った顔をしていた。まぁ蓮華やさなえには到底及ばないけど世間一般的にはイケメンと言われる部類であろう。 人の良さそうな柔らかい笑顔が印象的で新山曰くかなりモテていたそうだ だから自分を拒むものはいないという自信があるような顔。どこか俺と似ている気がした 俺と似ているということはさなえが相当危ない。俺はさなえが振り向かなければ閉じ込めてしまおうと本気で思っていたのだから… 新山は文化祭があるということをそいつに伝えたと言った。間違いなく来ると確信していた。それなのに二人で回りたいとわがままを言い蓮華とさなえを引き離してしまった… 空いた時間で家族が来ることになったと蓮華から聞いたので必然的にあいつは今一人になっている…さなえは面倒なことは嫌いだからおそらく俺が来ないのならば人気のないところでサボるはず… きっと別棟のどこかの教室に。そこがどこか何となく検討はついている…それなのに…動けない…動こうとすればクラスのやつらに捕まる… やっとの思いで抜け出しさなえからのメッセージを見るまで一時間程経過していた ヤバい…急がないと…状況を恒久に伝え急いで向かった

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