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文化祭 新山side
これまで本気で誰かを好きになったことはあまりなかったし真面目でもなかった。
なんとなく可愛いなと思った人を食い散らかしていた。それは男女問わずだった
お互い合意の上なので問題になることはなかったし回りから噂されることもなかった。
それも一緒にいろんな人の体を共有してきた理実のお陰なのだろう。
理実は人当たりも良く顔もいい。とても人気があった。
誰もが理実に一度は抱かれたいというほどのスペックを持っている理実は木築にどこか似ていると思う。
誰にでも優しくいつも爽やかに笑っているところなんかはそのままだ
理実は幼なじみだった。俺の初めては理実だったし理実もまたそうだった。
そして…俺の初恋の相手も理実だった。
ただの興味本意で始まったそれは俺たちを夢中にさせ次第に物足りなくなったことにより複数での行為をお互いが好むようになった。
そうしていくうちに理実への気持ちはどこかにいってしまった
人の共有という独特の関係が始まったのはこの頃だ
受験シーズンになってからはパッタリそれを辞めた。単純に余裕がなかったから
受験が終わって春休みを迎え始めは会ったりもしていたがお互いが忙しくなり家が隣にも関わらず会うことも無くなった
そのまま高校に入学するとさらに会う機会は減った。
そのまま会ってなかったから買い出しの時会ったときは正直嬉しかった。
北時と如月は木築と話していたので少ししか理実のことは見ていなかったが理実は何度もそちらを伺っていた。単純に俺の友人を見たいだけだと思いそのまま流していたが俺の北時への思いを感じ取った理実は俺をからかってきた
「悠祐。あの子達名前何?」
「エプロンしてるのが木築 茜。ニコニコしてるのが如月 蓮華。そんでもう1人が北時 さなえ。みんな同級生」
「悠祐さ、さなえちゃん?好きでしよ?」
「は?えっ!」
「悠祐わかりやすいよね」
「まぁ…お前には…やっぱり敵わないなぁ。そうだよ。」
「やっぱり。でもさ。あの木築だっけ?あの子となんか普通の友達っぽくはないよね?」
「あぁ。二人は付き合っているっていう話もあるよ。幼馴染みらしいけど」
「そっか。そういやこんなとこで何してるの?」
「あぁ。文化祭の買い出し。今度の土日あるんだよね。俺たちはジオラマ展示だけだから特に面白味はないかもだけど」
「土曜はバイトあるから日曜日いこうかな?」
「おぅ。来いよ。どうせ俺もほぼ空いているし」
「オッケー。ならまた日曜。連絡するよ」
「おう。じゃあな」
その時理実が何を考えていたのか俺は想像していなかった。
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