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文化祭2日目 新山side

理実は声を震わせながら俺にしがみつく 「ごめ…っ…悠祐…お願い…嫌いにならないで…」 「は?」 「俺は…」 「あんなことしておいてよく言う…」 「どうして?どうして俺じゃダメなの?」 「お前…何言ってんの?」 「何で…あいつなの?」 「何が言いたいの?…何であんなことしたの?」 「それは…また…お前と一緒にいたかったから…お前の好きな人を何とか物に出来たら…前みたいに…一緒にいられるって…思ったから…悠祐のことが好きだから」 「え?」 あまりに唐突で言葉に詰まった… 「俺は…ずっと…悠祐のことしか見てない…初めて出会ったその日から…ずっと… 悠祐の好きな人って…これまでは…どこか俺と雰囲気が似ていたから…もしかするとって…ずっと期待してた…なのに…あれが無くなってお前と離れて…再会して…好きな人って聞かされた奴は…俺とは全く違って… 悔しかった…もう俺の元には戻らないって思うと…苦しかった… でも…お前が…好きな人の側にいて笑っているのなら…それなら…って思って…手を出した… それしか…方法が浮かばなかった…」 「待って…じゃあ…俺といるためってこと?」 「本当にあいつを欲しいと思ったから…お前の為ならどんな手を使ってでも…」 「…ごめん…ちょっと…頭ついていってない…整理する時間をくれない?」 「…わかった…」 静かに涙を流す理実を置いて自宅に戻った… そのまま自室に篭り布団を頭まで被った… 理実は…俺を好きだった…そんなこと… 胸が五月蝿く音を立てる… 俺のせいで…北時があんな目に… 俺の思いは叶わない…それも…今日確実のものとなった… 木築にあんな表情見せられたら…察してしまった…ただの幼馴染みなんかじゃないってこと… わからない…涙が溢れて…理実を殴った拳が今さら痛くて… 声を殺して泣いた…

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