116 / 356
文化祭を終えて
そんな会話をしていたらゆりちゃんがやってきた
「おや。皆さん今日も仲がよろしいですね。新山くんまで一緒なんですね」
「あ…こんにちは?」
何て言って良いのかわからなかったのだろう。?をつけながら新山が挨拶した
「センセ。食べる?」
「いただきます」
美味しそうに食べてくれるゆりちゃんせんせを見ながらどうしたものかと悩んでいる新山を見る
まさかここであのゆりちゃん先生とご飯を食べるなんて思いもしなかっただろう
「ごちそうさまでした。美味しかったです。ところで北時くん。体は大丈夫ですか?体調がすぐれなかったでしょ?」
「大丈夫です。ありがとうございます」
「それなら良かった。ではまた。いつもありがとうございます。ごちそうさまでした」
踵を返し戻るゆりちゃんを見送る。
「ゆりか。俺も行く」
二人が立ち去ったあと新山は何とも言えない表情をしていた
「えっと…毎日五月女先生も一緒に昼食べてるの?」
「ん~。週3くらいかなぁ?普段は茜と蓮華と3人の事が多いよ」
「そっか…なんか…スゲー…あの人まで一緒とか…他の人聞いたら…」
「まぁ…学校の有名人たちが集まってるんだから…ね…俺は肩身が狭い…」
茜は言わずもがなだが…蓮華も御曹司でありながら誰にでも気さくで綺麗な顔立ちをしているので勿論モテる。
ゴンちゃんも強面だが本当は誰にでも優しくて良く気が利くし男らしい体つきに顔つきということで実は隠れたファンが多い。ゆりちゃん先生までそこにいるとなれば…
みんなのファンのやつらが知ったら大騒動かもしれない…何で俺の回りは顔面偏差値も人としても凄い人ばかりなのだろう…
「北時もいるしな」
「は?俺?俺は平凡だしそんな目立ってないから…まぁだからこそ俺を嫌ってる奴は多いかもな…」
「お前は…本当に無自覚なのか?」
「そうなんだよね。俺かなり困ってるんだよねぇ…俺たちの事さなえから聞いてる?」
「聞いた…」
「新山…聞いてくれるか…?俺さ…さなえに何度も言い聞かせてるのに言うこと聞かないんだよ…警戒心を持てって言ってるんだけどさ…どうにかして…」
「何か…木築は思った以上に苦労してるんだな…」
「そうなんだよね…」
勝手に繰り広げられる会話に疑問符が浮かぶ
「まだ嫌がらせとかはないから大丈夫」
「はぁ…あのさ。蓮華が仕事で来れないとき見張っててくれない?でも…口説いちゃダメだよ!いくらさなえが可愛いからって。もうダメだからね」
「二人の様子見てたら俺の入る隙がないことくらいわかってるから口説かないよ…わかった。見張っておく…最近は特に心配だしな」
「あのさぁ…俺に可愛いって思ってるのお前くらいだって…」
「ほら…出た…はぁ…頼んだ!新山。で俺の事は茜でいいよ。お前からしたら邪魔なやつだとは思うけどね」
「本当に…邪魔って思ってたけど…まぁ良くわかったから。北時には茜じゃなきゃダメだって…俺は切り替えるの早い方だから安心して…あ…理実の事は…しばらく切り替えられなそう…本当にごめん…」
「それ忘れたら俺何するかわかんねぇぞ」
「うん…」
「その事はもういいって当人が言ってるんだからいいの。わかった?」
「…わかったよ…」
ともだちにシェアしよう!