117 / 356

再会

あの日から約2週間。 俺は茜と新山と共に駅の近くのカフェに来ていた あいつと会うためだ 着いたときにはもうあいつもその母親も来ていた 俺たちを見付けると二人とも立ちあがり深々とお辞儀をした あいつの母はとても綺麗な人。整った顔立ちは母親譲りだったようだ 何度も何度も謝る二人に逆に申し訳なくなる 「大丈夫です。俺もう何でもないですから。だから顔をあげてください」 ゆっくり顔をあげる二人に笑みを見せる 「ただ…今後は間違わないで欲しい。それだけです」 「すいません…でした」 「あの…少し…理実くんと二人で話がしたいのですがいいですか?」 「北時。大丈夫か?」 「うん。だから…少し理実くん貸して下さい」 理実と共に席を離れる。フリースペースになっているところへ向かう。 誰もいなかったので窓際の席に座った 「ねぇ。あのさ」 「はい…」 「敬語じゃなくて良いよ。同い年でしょ?」 「うん」 「あのさ、新山の事好きなんでしょ?」 「…」 理実は静かに頷いた 「もう伝えた?」 「…」 また無言で頷く 「そう…俺は新山じゃないからはっきりわかんないんだけど…新山はお前が好きだったんじゃないかな?だから敢えて俺を選んだんじゃない?お前とは逆の俺を。新山は無意識にお前を忘れようとしているのかもしれない。時間はかかるけれどきっと…新山はお前の事…」 「悠祐は…もう俺の事なんて…あいつは…」 「でもさお前とは一緒にいたいって思ってるんじゃない?でないとこんな時間わざわざとってくれないんじゃない?」 「でも…」 「まぁ…本人にしかわからないことだけどね。ねぇ理実…あ…勝手に呼び捨て…ごめんね」 「いや…別に良い…」 「取り敢えずさ俺と友達になって?だめ?お前が悪い奴って俺は思わない。そりゃあお前のこと2度と見たくないって…会いたくないって思ってたけど…今日会ってみてわかった。俺はお前の事は怖くない…だから、まずお前をもっと知りたい」 「でも…」 「じゃあさ償うために受け入れてよ。これは命令。ね?」 「わかった…」 「んじゃ連絡先交換しよ?」

ともだちにシェアしよう!