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俺が俺でなくなる
隣の部屋から漏れ聞こえるテレビの音
ニュースか何かあっているのだろう。
既に季節は変わり新学期がなんとかと言ってる
みんな…元気かな
薬を飲まされることは無くなった。
でも俺は今鎖に繋がれている。
部屋の中は自由に行き来出来る長さ。
いつも同じ時間に母と名乗るあいつがやって来て無理矢理に飯を食べさせられ可愛がられる。
少しでも気に触ったら殴られる
逃げようと考えたことも何度かあったが諦めた
どっちにしてもおそらくまた連れ戻される気がしたから
そんな日々…
今日は母と名乗る女が俺を何度も切りつけている。傷はたいして酷くはないがやはり痛いものは痛い
男は出掛けていないようだ
自分の体から出る血を見るとどろどろとした何かが俺の中を巡っていった…
俺が俺でなくなる…
プツン…
「いたいっ…いたいっ…やめて!お母さん!」
「お母さん…やっと言ってくれた…さなえ…いい子ね」
「…ごめんなさい…ごめんなさい…おかあさん」
「いい子ね…さなえ…いい子…私の可愛い子…」
「おかあさん!おかあさん!」
おかあさんが僕を抱き締めてくれる…暖かいな…おかあさん…大好きだよ…
「早くこうしていれば良かったねぇ。」
「おかえりなさい。繁さん」
「だぁれ?」
「さなえの新しいお父さんよ」
「おとうさん?」
「そうよ」
おかあさんの服をぎゅっと握っているとその人が僕を撫でてくれた
「さなえくん。これからよろしくね」
「よろしく…おねがい…しま…す…」
「じゃあ私はお買い物に行ってくるわね。お父さんとお留守番しててね」
「はい」
おとうさんはとっても大きくて力持ち、僕をだっこしてくれた。
暖かいなぁ…
「可愛い…さなえくん…」
おとうさんがちゅってしてくれた。にゅるっておくちのなかにあったかいのがはいってきた。
くちゅくちゅとあったかいのがうごいててくるしい
「ぷはっ!おとうさん。くるしい」
「ふふっ…ごめんね。血が出てるところ手当てしようね」
「うん」
おとうさんが血が出ているところをぺろぺろってしてくれる。くすぐったい
「おとうさん。くすぐったい…」
「うん。我慢してね」
「おとうさん!僕そこは怪我してないよ」
「ん?念のため消毒するんだよ」
ズボンもパンツも下ろされてぼくは裸ん坊
おしっこするところ汚いのにおとうさんがぺろぺろってなめていた
「んっ。あっ!おとうさん!待って!待って!おしっこ…おしっこ出ちゃう…」
「いいよ。だして」
「んっ…んっ…あ!!ごめ…なさい…」
「いいよ。大丈夫だよ」
そういうとたくさん撫でてくれた。
そのあと体を拭いてくれて傷の手当てをしてくれた
手当てが終わったのに僕はまだ裸ん坊。
そして何故かおとうさんも裸ん坊になった
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