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俺が俺でなくなる 茜side
さなえの世界には今あの男と昔さなえを捨てた女しかいない…
歯痒くて…でも…どうすることもできなくて…
涙が止まらない…
「あれ?茜くん。まだこんなところにいたの?」
「お前は…」
「可愛かったでしょ?さなえくん。後ろの具合も最高だね。君のお陰だね」
「…」
「俺ねみずえの恋人なんだよね。みずえはとても美人だし優しい。そんな姿に惚れたんだけどさ。ある時実は息子がいるって聞いて。引き取りたいって言ったからそのあといろいろ調べてみたらさなえくん見つけてね。驚いたよ。みずえよりも美人で。あの行為はねさなえくんは嫌がったこと無いんだよ。大好きだって囁いてやればとても嬉しそうに笑う。その顔も実に綺麗」
「…」
「さなえくんが記憶なくしたのは…3ヶ月位前。みずえに傷つけられたら急に全部昔のことを思い出したみたいでそうしたら面白いことに君やそれまで過ごした家族との日々は全て無くなってしまったんだ。だから今はもう君のこと見えていないから。君はまだ若いし容姿もいい。いくらでも新しい子は手にはいるでしょ」
「俺は…他なんていらない。さなえだけでいい」
「見たでしょ?さっきの。君に怯えてるんだ。だからこれ以上近付かないであげて?可哀想だ。今とても幸せなんだから。じゃあね。さなえくんのことは諦めてね。茜くん。さなえくん泣いてるかも知れないし俺は帰るね」
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