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俺が俺でなくなる 茜side
しばらく公園で呆然とし男の背中を見送っていた…今はどうすることも出来ない…
後ろ髪を引かれる思いだったが今はそれしか…
その後さなえの実家へ向かった
さなえの記憶がない
その事を薊さんとみのりさんに伝えた
何とも言えない表情をした二人に頭をさげる
「すいません。俺が目を離したばっかりに…おそらくさなえ何かしらひどい目に遭ったんだと思うんです…俺にはもうどうすることもできなくて…本当にすいません」
「茜くん。頭をあげて。」
みのりさんが優しく声を掛けてくれる
ゆっくり頭をあげるとみのりさんがじっと俺を見つめていた
「ありがとう…俺たちに見つけられなかったさなえを見つけてくれて…会いに行ってくれて…一人でさせる形になってしまってごめんね…でも…茜くんも諦めてないんでしょ?そんな顔してるよ。俺も何かしらやってみる。住所教えてくれる?」
住所を伝えて自宅に戻ろうと腰をあげた
「また来てね」
「はい」
「あまり悩まないでって言っても難しいだろうけど…」
「いえ…ありがとうございます」
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