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真夏のあつあつえっち編 ②

「っ……もう、アイスちょうだい──えっ」  純は照れ隠しなのかツンッとした態度で催促するが、正和は純の後頭部に手を添えて、再び顔を近づける。  彼はそのまま顔を少し傾けると、純の柔らかな唇に自分のそれを重ねて、啄むように優しく吸った。純と目が合うと涙袋をクッと上げて不敵に笑う。  その仕草に、純は腰をぞくりと震わせて、目を泳がせる。視線を合わせていられなくて、瞼を閉じれば、彼の息遣いや唇の感触がいっそうリアルに伝わってきて、下腹部にずくりと熱が溜まった。 「ん……はっ、ぁ」  唇を割って舌が入ってくると、純は小さく喘いで、正和の胸にしがみつく。弱い上顎を舌先でなぞられて、ぞくぞくっと痺れるような快感が腰骨の奥に響く。  舌を(から)めとられて(なぶ)るように掻き回されたら、全身が蕩けるような甘い快楽に包まれて、立っているので精一杯だった。 「んう……ンっ」  敏感な舌が擦れ合って、お互いの唾液が混じり合う。正和の熱っぽい眼差しに純の顔がかあっと火照り、心なしか彼の頬も上気しているように見えた。 「はあ……っ」  最後に(ついば)むようなキスを何度か落とされて、唇が離れていった。  熱くて頭がぼーっとする。  けれど、正和の持った袋がガサッと音を立てたので、純はアイスの存在を思い出す。  無愛想に苺のアイスバーを一つ取って、袋を破る。いつもと違って中身が柔らかくなっていることに嫌な予感はしていたけれど、やはり少し溶け始めていた。 「わっ、ほら、溶けてきてるー!」 「あーあ、ほんとだ」 「ほんとだじゃないよ。正和さんのせいじゃん」 「純が早くキスしてくれないからだよ」  カップの物ならなんとかなるけれど、棒付きのそれは溶け始めたら悲惨だ。一度開けてしまったし、再度冷凍庫に戻すのも微妙なので、完全に溶けてしまう前に慌てて食らいつく。  たらーっと指に垂れてくるアイスを舌で舐め取って、溶け始めている先端をじゅるっと吸いながら(かじ)る。ひんやりした甘さが口いっぱいに広がって、幸せなひとときだった。

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