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いじわる彼氏とバレンタイン ③

「それくれたの彰子さんだよ」 「正和さんが男しか興味ないのは知ってるけど、女からでも──え?」 「俺の親にも嫉妬するの? かーわい」 「ぁ、ぇ、~~っ、正和さんのばかぁ!! なんで教えてくれないんだよーっ。お、おれ、ほとんど、食べちゃって……っ」 「あーあ。俺宛でくれたのに、彰子さんが知ったらどう思うかな」  正和が嫌味っぽく言うと、純は見開いた瞳から涙をポロポロ零して、終いには子供のように声を上げて泣き始める。 「っ……ごめんなさい。勝手に食べて、ごめ、なさい……もう、しないからぁ……うぅっ」 「純、相当酔ってるね」  クスクス笑った正和は、純の腰を抱き寄せて額をこつんと合わせた。 「ベッド行こっか♡」 「へ……? やだよ、でーとする!」 「そんな格好で誘っといて何言ってんの」 「誘ってないし!」  ポカポカと胸を叩かれて顔を離した正和は、ソファに落ちている黒い布を拾い上げてにんまり笑う。 「あ、ぱんつ落ちてる♡ 穿いてないんだ?」  もともと赤かった純の頬は更にカァァと紅くなり、逃げようとしてふらついた体を正和は容易く支えた。純の背中に手を回し、両脚の膝裏を腕で持ち上げ抱き上げると、ジタバタともがく純の額に口付けて、寝室に向かってスタスタと歩き出す。 「さっき、俺以外からもらうなって言ってたけど、純からのチョコは? まだもらってないんだけど」 「っ……」  にこにこと口元だけに笑みを浮かべる正和に、純は目をキョロキョロさせて分かりやすく狼狽える。 「彰子さん以外のは全部断ってきたんだけどなあ」 「──……おれ、も」 「うん?」 「正和さんから……もらってない、し……」 「あー、……そっか。そうだね。じゃあ、お互い様だ」 「……うん」  小さくこくりと頷いた純が可愛くて、純を抱いている腕にきゅっと力が入る。 「じゃあ、チョコの代わりに純をもらうね」  純をそっとベッドに下ろした正和は、ニヤリと笑って前髪をかき上げた。  * * * 「はぁ……あ、ん」  体が熱い。下腹部がじんじんする。全身が蕩けそう。  純はぼーっとしながら正和の顔を見つめ、時折顔を歪ませて淫らな声で啼いている。後孔を指でかき回されて、拡げるように二本の指を動かされたら、堪らず腰がびくんと跳ねた。  暑いから脱ぎたいのに、彼のセーターは着せられたまま脱がせてもらえない。

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