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いじわる彼氏とバレンタイン ⑤
「ずいぶん大胆だね」
彼はくすりと笑って、焦らすようにツーッと内股をなぞった。流れるような仕草で純の膝裏に手を回すと、脚を上げ先ほどなぞった場所に口づけて彼の印を残す。
「……大胆なの、きらい?」
「好きだよ。純のすることなら全部」
「ほんとに?」
「もちろん」
彼は体勢を変えて熱塊を蕾に軽く押し当ててくる。
「じゃあ、いたずらしても?」
「ん~。それってつまり、お仕置きしてかまってほしいってことでしょ? 可愛いね」
「っ……ちがう。それは違っ──はあぅ」
突然押し込まれた彼の凶器に、口からは頓狂な声が漏れた。半分くらいまで入ったそれを緩く引き抜いて、今度は一気に最奥まで打ちつけられる。
「あぁ……っ」
酔いのせいか、快楽のせいか一瞬目の前がチカチカする。いつの間にか折ってもらった袖は元に戻っており、その長い袖をぎゅっと握って、睫毛を震わせる。
「ねえ、なんで俺の服着てたの?」
「あっぁ、わかん、ない」
質問と同時に始まった抽挿に、酔いでぼやけた頭はさらに霞がかかって何も考えられなくなる。
「えっちなことしてた?」
「してない、まさかずさんの、におい、落ち着くからぁ、あっ、気づいたら、きてた」
「じゃあパンツは?」
「ひっ、ぁ、あっ、あつい、から、脱いだ」
「ほんとに?」
顔を近づけて目をじっと見つめてくる彼に、どくん、と胸が高鳴って、羞恥で一瞬目を泳がせる。いつも以上に心臓が騒がしくて、軽く息を漏らして答えを口にする。
「ほんと、に──んぅ」
けれども、答え終わるよりも先に唇が重なり合って、言葉は吐息ごと奪われる。呼吸さえ許されないような深い口づけに、全身に痺れるような愉悦がじわりと広がる。
「んっ、ふ…っ、ンんっ」
純の弱い上顎を執拗に舌で攻められて、イイトコロを押し潰すように、ずちゅん、ずちゅん、と腰を打ちつけられて、純はイヤイヤと首を左右に緩く振る。
けれど、純の意志とは関係なく快楽を素直に受け取った身体は、彼を誘うように胎内 をヒクヒクと収縮させて厭らしくうねりを打った。
「ぁ、ん……っ、ぅ、」
身体の熱も次第に上がって、無意識に首元のニットを掴んで下げるように引っ張った。暖房の効いた室内の空気は暖かいが、それさえ火照った肌にはひんやりと感じられる。
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