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いじわる彼氏とバレンタイン ⑦

「っ……いくよ」  最奥に熱い飛沫を打ちつけられて、漸く動きが止まる。全身からぐったりと力が抜けて、はあ、はあ、と胸を喘がせ、絶頂の余韻に身を委ねる。  やっと解放された、そう思ったのに。 「さて、次は純をいかせてあげないとね?」 「へ? 俺もう──」 「まだ出してないでしょ?」  そう言って、純の下腹部をなぞる。その顔にはとてもいじわるな笑みが浮かんでいて。酔いが醒めてきた純は慌てて拒絶の言葉を口にする。 「いい! 今日は出さなくていい!」 「そう?」 「あ、待って、ちがう、出さなくていいわけじゃなくて」 「ふふ、どっち?」 「っ……」  どっちにしても彼に苛められるのだろうと予測して、純は言葉に詰まる。  彼が吐精すればこの行為が終わるだなんて、普通に考えればそんなわけないのに、どうしてあの時はそれで終わるだなんて思ったのだろう。 「わかった。出すのも、出さないでするのもたくさんしたいんでしょ」 「ちがうぅぅ……」  優しくていじわるな愛撫で責められて、ニットは二人の香りに上書きされる。真夏と同じくらい茹だるように熱い夜だった。  おしまい。  ※本編とは関係ありません。実際は純くんってお酒強いような気がします。たぶん。  実は没になる予定だったお話ですが、なんとか完結させました。一番書きたかったのは純くんが袖を捲るように言っているシーンです。酔って甘えるこのシーンのために書き上げました。お楽しみいただけたら幸いです❀    

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