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眠気吹き飛ぶ夜這いえっち編 ③
「だ、だって、ムラムラして……寝れなくて……っ」
「はあ~。俺、昨日は徹夜だったから凄く眠かったんだけどな~」
そう言いながら彼は起き上がって、純の体をそのままくるりとベッドへ転がす。
「ご、ごめん、なさい」
「それに手際悪すぎ。こういうのは後ろ慣らしておくか、いじりながらやらないと」
意地悪な笑みを浮かべた彼の顏と話口は今起きたばかりには見えない。
「いやだって……、てか起きてたの?」
動揺して瞳を震わせながら返せば、彼は楽しそうに笑って純の手首をそれぞれベッドに縫い留める。
「まあ、あんなに熱心に触られたら起きるでしょ」
「~~っ」
一部始終を全て知られていたなんて居たたまれない。
「布団めくったから来るのかと思ったら、ローション取り出すんだもん、笑いこらえるの大変だったよ」
「……ひどい」
「酷いのはどっちかなあ。散々寝込み襲うなーとか言って俺には我慢を強いてたのに、純はこういう事するんだもんねえ。俺、疲れてたのに」
「っ……」
わざとらしい口調ではあるが、今回ばかりは事実なので言い返す事もできなくて純は唇を引き結ぶ。
「悪い子にはお仕置きしなきゃだね?」
そう言われて胸が一際大きく脈打った。何をされるのか不安な反面、腰骨の奥が期待にぞくりと震える。ドキドキする心臓を押さえ込むように細く息を吐き出して、こくりと喉を鳴らす。
「今の純に一番効くのはやっぱりえっち禁止かなぁ」
正和は右手を手首から離すと、指先で昂りを先端に向かって撫で上げる。
「そ、んな……。で、でも……正和さんが、こんな…体にしたんじゃん……。ずっとしてないし、好きな人と一緒に寝てたら仕方ないっていうか……」
「確かに純の言うことも一理あるね」
その言葉に期待して、顔が少し上向きになり、目線は正和の顔に向く。
「でも、俺はちゃんと約束守って何回も我慢したよ?」
「っ……それ、は……正和さんも前にしてきたことあるし……」
「んー、言われてみればそうだね。純は初犯だし情状酌量の余地はあるかも?」
そう言って、彼は左手も離して体を起こす。
「じゃあ、お仕置きは純に選ばせてあげる。それとそんなにえっちな体にしちゃった責任とって、恋人を満足させてあげないとね」
涙袋をクッと上げて、悪い顔でニヤリと笑う。そんな正和を見て、期待よりも不安の方が大きくなった。もしかしてとんでもないスイッチを入れてしまったのでは?
その予感は的中し、寝不足で神経が高ぶり、性欲もおかしくなった正和に、このあと散々な目に遭わせられることになる。
何よりあの正和ことだ、純以上に欲求を抱えていただろうことに気づくが、今更嘆いても後の祭りだ。
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