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眠気吹き飛ぶ夜這いえっち編 ⑧
「あぁあっ、やだ、だめっ…おねが、おねがいだから、ぬいて、これとって、やだっ、やだぁ」
頭が真っ白になって、縋るように彼の身体にもたれ掛かれば、いっそう感じてしまって唇を震わせる。
苦しい、出したい、おかしくなりそう。
自分が何を言ってるのか、何を考えているのか、何も分からなくなって、かぶりを振る。
「いいよ……っ、自分で取ってごらん」
ようやく彼の許し を得たが、あまりの快感にプラグを握ろうとした手が強張って、うまく動かすことができなくなる。
「ああうっ、ひっ…い、ぃく、イク、も、出したい」
「抜いていいって、言ってるのに」
「ぅ、あ、だってぇ…あぁっあぅう」
行き過ぎた愉悦に泣きながら、震える手で彼の胸元を掴めば、彼はやんわりと目元を細める。
「……仕方ないなあ」
彼は動きを止めて、純の中心に手を伸ばすとプラグを一気に引き抜いた。
「はっ、あぁああぁん…っ」
堰き止められていた蜜口が解放されて、無色の透き通った液体がビシャァァアと勢いよく噴き出し、彼の顔と身体を濡らす。
「っ……」
少しばかり驚いた表情をした彼は、尿道プラグを脇に置いて、自分の右目の瞼を中指で上から下に撫でるように拭う。
「顔にかけるなんて悪い子。潮吹くくらい良かった?」
彼の顔から滴り落ちるそれを見て純は羞恥と、妙な感情を覚えた。甘美な背徳感と痺れるような高揚感。胸がきゅうっとなって、腰骨の奥がぞくぞくっと震える。
だが、それも束の間で、身体をベッドに転がされ追い詰めるように抽挿を再開された。僅かな吐息さえ彼のものとなり、全身の自由を奪われる。
「あっ、あっ、あぁっ……っ」
前がチカチカと閃光し、背を反らせて彼の胸を押す。
「も、むり……あぁ…こわれ、ちゃ…」
「でも、最近全然構ってあげられなかったら、まだ全然足りないでしょ?」
瞳に溜まっていた涙が、首をふるふる振ったことで頬を滑り落ちる。
「や、ぁ……っ、も、足り──」
否定の言葉を言い切る前に彼の唇で塞がれて舌が深く入ってくる。弱い上顎を擽 られ、呼吸ごと舌を搦 め捕られて全身が熔けてしまったみたいに感覚が変になる。
「まだまだ足りないよね?」
目をスーッと細めて言った彼の言葉は、問いであって問いではない。そのくらいはぐずぐずに蕩かされた頭でもわかる。
「はぁ、あ…あっ、あぁ…っ」
けれど、肯定も否定もじわじわと自分の首を締めることになりそうで、純は何も言えなくなった。
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