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第9話 EP1:愛引 遭遇 -1-

―……ついにこの日が来たのだと、思った…… 「―……部屋の準備に時間掛かっちゃったね……!」 「ああ。僕達で最後なはずだから、急いで"清め"をしよう!」 「うん!」 僕は慌てて唯一身に付けている長めの腰布を取って泉に浸かった。 そして僕の後から、同じく裸になった薬仲間の"ユーリカ"が続く。 僕よりニ歳下のユーリカとこうしていると、彼より小さい自分の弟達を思い出す。 泉に行き、水を頭から掛けてやる段階になるとそれぞれ目や鼻や耳……を小さな手で押さえて水の浸入を防ぐ弟達。 ……と言っても、14歳、9歳、8歳、5歳なんだけど。……あの仲良し両親だから、まだ増えたりして。別に良いけど。 僕の両親は両方オメガだけど、両祖父の四人中、三人の血の内容が珍しい"αΩ"……アルファ混じりのオメガなんだ。 その二人から生まれた僕達兄弟は全員"ΩΩ"のオメガだけど、何となく他のオメガより身体が丈夫な気がする……。 ……ああ、話しがずれたけど、何だか弟達を思い出す年下のユーリカを構ってやるのが好きなんだ、僕は。 そしてこの泉に来る時は必ず一人ではなく、最低二人でも来るように言われている。 それはここが施設からそれなりに離れており、闇族も魔族も出没する場所だからだ。 一人で対応出来なくても、人数が多ければ、何とか切り抜けられるかもしれない。 まぁ、そんな感じで今回は僕はユーリカと一緒だ。 本当は他のオメガ仲間も一緒だと良かったかもしれないけど、仕方が無い。 騎士様達が到着する前に、何とか部屋を整えられて良かったよ! 僕達の顔合わせは夕食前……この清めの行為もちょっと急がないと。 辺りが暗くなる前に帰らなきゃ。 そして僕は泉に浸かりながら、ユーリカを呼んだ。 「さ、ユーリカ、おいで。"清め"て上げる」 「うん、ミトナありがとう」 はぁ。それにしても、それなりな距離を走ってきたから、少し汗をかいちゃったな。 それはユーリカも同じみたいで、白い肌が仄かに桜色になっている。 そしてそんな肌にソロソロと水を掛けてやれば、一瞬ビクつき直ぐにそれを解いてユーリカが言葉を発した。 「結構冷たい……」 「我慢我慢~」 言いながら、ユーリカの肌に片手で泉の水を落とし、残る手で肌を撫でる。 何回かそれを繰り返していたら、"スル……"と流れる水の中に、急に"テロン"とした固まりが混じった。 まるで卵の白身……の様な……? 僕はその突然の奇妙な違和感に、ある物が繋がった。 この"とろん"としてる……これ……って…… 「……スライム……?」 「ひぅ!?」 急な声に驚いて自分の手から意識をユーリカに向けると、彼の身体を這い登る……スライムが……。 「ぁ、あ、あッ……!」 「ユーリカ! この……!」 僕は慌ててユーリカにへばりつくスライムを無感情に掴み、剥いでとにかく遠くに投げた。 その際、握った手の皮膚が"チリッ"とし、確認すると部分的に赤く、妙な……"ジクジクした熱さ"を僅かに感じ始めた。 自分の変化に驚いてユーリカを見れば、彼の白い肌にスライムに這われた所が赤くなり、泣きそうな……蕩け始めた表情のユーリカがいた。 ……スライムの成分に中てられてる……! 意識がまだある……動ける内に、施設に戻らないと! 「ユーリカ、泉から出るんだ!」 「ち、ちからが……上手く入らない……」 今の彼は一種の"発情"状態に差し掛かっている……。 僕はとにかくこの泉から施設に一刻も早く帰り、ユーリカを助けないと! ザブザブを荒く水を掻き分けて泉を出て、端に落とした腰布を掴んだ時、ユーリカのペニスが目に入った。 緩くだが勃起したユーリカのペニス……。思ったよりスライムの成分は周りが早い様だ。 ユーリカは肩で息をし始めており、急に"ビクン!"と身体を強張らせたかと思ったら…… ―ピュ……ッ! ……ん? ユーリカのペニスから……? 「……ミトナ、……出ちゃうっ……!」 "何が?" そう質問するより先に、ユーリカのペニスから白濁が放出された。 出された白濁は前方に"ビチャビチャ"と落ち、小さな液溜まりを作った。 水の中だから分からなかったけど、よく見るとユーリカの下肢にも、スライムが這ったと分かる痕が……。 こうなっているとペニスの赤みも何だかいつもより色濃く感じてしまう。 「ボク、触ってないのにイっちゃったよぉ……」 確かにユーリカのペニスは不自然に精を断続的に吐き出している。 自分の異変に何とかしたいユーリカだが、触ると刺激が強く返ってくると本能で感じるのか、彼は自分のペニスに触れないで涙を零し始めた。 僕も上手い対処が分からない……。ここは早く施設に戻って、研究員の人達に助けてもらおう。 そして視線をユーリカから、前方に戻すといつの間にかたくさんのスライムで山になっている部分が……。 って、その地面にあるのは……! 「……ユーリカの精液に……スライムが群がってる……!?」 ……って事は…… 「―……良し! ユーリカ、精液を腰布に染み込ませて、スライムが群がっている内に逃げよう!!」 「……ミトナぁ……?」 「とりあえずユーリカの……最後まで出しちゃうね」 「えッ……ん、んっ……。ミトナぁ……」 ユーリカに「ごめんね」と言いながら、彼のペニスを搾ると先端の穴からぷくりと液体が盛り出た。 僕はそれを自分の腰布で拭い、その動作を繰り返してユーリカの精液を布に染み込ませ、丸めて遠くに進路外に投げた。 すると"ズザザザ"とスライム達がが移動し、今度は布に纏わり始めた。 「……これで、時間……稼げる?」 「群がってるから……稼げると思う……。……余韻が辛いと思うけど、早く離れなきゃ……」 そして僕はユーリカを支える様に歩き、本来の道で帰ろうとしたら、信じられない事に道がスライムで埋まっていた……。 どうして、こんな……? いつも、こんな事……起きない……。 ショックだけど、いつまでもここで立ち往生しているわけにはいかない……。

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