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第11話 EP1:愛引 それは欲望 -1-
※ミトナの一人……シーンがあるので、苦手な方は注意です。
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あれから施設に帰り、僕は手に簡単な治療を受けながら、
『泉からなかなか戻ってこないミトナとユーリカを心配して、所長が失礼と無理を承知で到着したばかりの騎士団の人達に捜索をお願いした』
、と説明を受けた。
ここは大きな戦線の近くだからね……。闇族や魔族の事を考慮してくれたのだと思う。
そして実際、僕とユーリカはスライムに襲われた……。
そしてどうして騎士様達が僕とユーリカを見つける事が出来たのかは、ユーリカがスライムの体液に中られて"発情"したからだという。
つまり、ユーリカの発情フェロモンを辿った……という事だよね。
発情フェロモンに中てられながら僕達を救出……って、意外と難しいと思うんだけど、そこはさすが強靭な騎士精神とか、実は何か対処法をしているのか……。
良く分からないけど、色々な意味で全員無事で良かったよ……。
あのね、"オメガの無防備なフェロモン"は案外危険なんだよ。
相手も自分も……"傷"つけちゃうかもしれないからね。
……発情したオメガをレイプ……複数で、っていう事件……も、あるんだ……。
騎士職は"アルファ"性が一般的だから……ユーリカのあの状態での……救出された状況下は有る意味、全員に最悪だったんだ……。
僕は施設に帰ってくるまで"必死"過ぎてその場では気が付かなかったけど、……今は考えがおよんでジワジワ恐怖が生まれ始めた。
治療の為に、ここにユーリカは居ない……。
そして僕はまだ騎士様のマントを身に付けて……状況説明の為に治療室には行っていない。
説明し終えた僕は自分の手が気になってきて、スライムを掴んだ手を包帯越しに自己観察していたら、声を掛けられた。
「……その手……、大丈夫か?」
「あ、はい! 僕は大丈夫です!」
この声は……一番最初にマントを貸してくれた騎士様だ!
髪や髭で表情は窺えないけど、心配してくれているのが分かる。
そして声色の雰囲気から、実は若い? ……と言っても、僕より断然上だけど。
「そうか。しかし災難だったな……」
「……はい……」
そう……スライムの体液により、ユーリカは治療を受けながら暫らくベッド生活だ……。
管理官達の対処で身体は落ち着いてるけど、色々ショックだろうな。
「……君、は……今回、"薬"役にはなっているのか……?」
「はい、なっていますよ。ですが、この手では……外されるかもしれません……ね」
答える声が段々力弱くなる……。
僕は"何"に、落胆しているのだろう……?
こんな感情、初めてだ……。
薬役の件はどうなるか分からないが、何も言われなければ僕はそのまま役目をまっとうするまでだ。
僕の様子に騎士様は「そうか……」と声を掛けて僕に励ます言葉を掛けて「では、また……」と去った。
去る騎士様の背中を見ながら、彼にマントを借りたままだと気が付いたのは暫らくしてからだった。
やはり僕もどこか疲れているのだろう……。
仲間達は軽く僕に励ましの言葉や労わりを見せてくれ、早くベッドで休む事を勧めてくれた。
僕は彼らの言葉を受けて自分の部屋に帰り、借りたマントに皺を作るわけにはと外套掛けにかけ、なるべく丁寧に伸ばした。
……そして、部屋に一人なのを良い事にそっと内側の布地に鼻を寄せると、ほのかな柔らかい花の香り。
「……やっぱり、良い匂い……」
最初は癒される感じが強かったこの香りを、しつこく嗅いでいたら……
「……んっ……は、はぁ……はぁ……っ……」
僕は"香り"に我慢出来ず、一人用のソファーに座り、自分でペニスを扱き始めてしまった……。
"香り"に下半身が自然に焚きつかされて動かされる、不思議な感覚……。
扱きを受けて湧き出た液体を窪みに塗りつける様に"くちゅくちゅ"とする。
すると、そこから快感が生まれ、僕のアナルが"ひくん"と切ない動きを示した。
僕は扱きながら、更に窪みを弄った。
窪みからは透明な液体がこんこんと湧き、扱く行為で僕のペニスがどんどん潤い濡れた。
"ぐちゅんぐちゅん"とした音が、僕の周りに響く。
あの香りと僕のモノとが混ざり合う……。
「やぁっ……だ、だめっ……こんな、だめぇっ……」
そして自分の行為を否定しながら、僕は真逆の行為を続行して高めるのが止められず、"ぐちゃぐちゃ"とした粘性の水音を溢れさせた。
両手を使えたら……多分、僕は扱きながらアナルを弄ってしまう……。
出来ない事に、思わず下唇を噛んで涙してしまう。
"ひくんひくん"と泣く様にしゃっくりを繰り返す自分のアナル。
僕は硬く起ち上がっているペニスから手を離して、切なく泣くアナルを撫で、そこに指を一本、二本と埋め、摩った。
内部を撫でるだけで重甘い快感が起き、僕は呆気無くイった。
「んっ……んぅうっ……!」
ぶるぶると身体を震わせて、僕はアナルに指を咥えさせたままペニスから白濁を飛ばした。
白濁の量は少ない方だったけど、発情もしてないのに、こんな風に自分を慰めるなんて……珍しい。
「はーはーはー……」
そして何ともいえない罪悪感が湧き起こり、僕は手早く処理をして布団に潜り、自分の匂いに閉じ篭った。
騎士様のマントは癒されるけど、危険だ。
―……でも、近づくのを止められそうに……無い。
「……騎士……さまぁ……」
未知の感覚に怯えながら、僕は甘えるような声で名も分からない人に全身が震えた。
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