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第13話

「楓…名前、呼んで。」 「…尋、くん?」 「ちがう、昔みたいに。」 「えっ…ひ、ひろ?」 「うん…」 その瞬間、まるで昔に戻ったようだった。 尋くんの笑顔は、今までで1番柔かで、それでいて1番、嬉しそうで。幸せそうに笑う。 「ひ、ろ…」 「ん?」 ああ、まただ、僕が呼んだら嬉しそう。 学校の女の子たちに呼ばれることをあんなに怒ってたのに。 僕は良いの…? 気持ちが溢れて止まらないよっ… 「すき…」 「!」 「あっ…れ、僕、何言ってんだろう…わ、忘れてっ!忘れて、下さい…おねがいっ…」 「忘れねーよ。」 「やっ…意地悪だよっ…」 「意地悪でもなんでもいい。忘れない。」 「な、なんでよっ…僕のことなんて、好きじゃないでしんっ!?」 感情的になって涙が再びぼろぼろと溢れて出ると、急に尋くんの顔が近づいて、柔らかい唇が合わさった。 合わせるだけの優しいキスだった。 激しくも、強くもない。 安心させるようなキス。 「お前…そんな風に思ってたの?」 「うん…」 「馬鹿だな…」 「ええっ!?」 「昔から言ってんだろ…」 「な、何をっ…?」 「俺の1番好きな子だって。覚えてねえの?」 「っ…!」 「んっ…締めんなよ…きつい…」 「はあっ、ごめん…嬉しくて…」 「まあ今は違うけど」 「な、なんで…!?」 「今は…」 「へっ」 今度は耳元で囁かれる 「1番愛してる子だから」 「んあっ…!」 自分で孔を締めてしまったのに、それに自分で感じてしまうなんて、僕は余程の変態になってしまったのだろうか… 「何、感じた?」 「ふっん、言わないでっ…もう…」 にやりと笑うその顔もかっこいいんだから… 「もう動いて大丈夫そうか?」 「う、ん…たぶん。」 「ん。いい子。」 「はっあ、んっ…ふぅ…ああっ…!」 徐々に動き始めた僕の中の彼。 苦しそうに出す尋くんの声に、吐息に、 目一杯彼を感じた。 「っ…」 「あっ…んうっ、んっ、あっ」 「はっ…」 「ああっ…ひろっ…んっ…はあっ、あんっ…」 「…気持ちい?」 段々と激しくなる動きに、 目眩がしそうな程の快楽が襲う。 「んんっ…はあっ、きもちっ…い、すきっ…」 「ふっ…素直。」 そう言って目尻にちゅっとキスを落とす。 「んっ…あっん、ひ、ろ、ひろっ…」 「ん?」 「…んっふ…うっ、あっ…ぎゅっ、て、んっ…してっ…」 「ん、りょーかい。」 少し湿った肌が、密着した。 首に腕を回されて、 僕の顔が尋の鎖骨辺りに押し付けられる。 「あっあっ、ん…はっ、奥っ…すごっ…」 「っ…ここか?」 「やああっ!はあっ、ああっ…っ、もうっ…だめっ…!」 「イッていいぞっ…」 「あっん、ああっ、あああっ!!」 「くっ…」 「はあっ…はっ……っ…」 なんだろう、まだチカチカする 勢いよく抜かれたそれに、 また反応してしまう。

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